勝手な父

父が母の在宅介護などをするようになって、それが父の唯一の生きがいとなった。連れ添ったパートナーこその愛というのではなく、母の世話をすることで自分の仕事を見つけ出したというか、役割を見出した様だった。

僕と姉の意見は同じで「あまり仲良くなかったのにね」と。

父は、寝たきり状態となった母を自宅での世話をしていたけれど、その状況を垣間見るにあまり良い環境とは言えなかった。イラつく父の怒る声や、動きが鈍くなった母を急かす声は夜にも聞こえてきた。

母の介護を母のためにではなく、父は自分の承認欲求を求めて行っていたのだと思う。そこに自分の唯一の存在意義を見出していたんだと思えば全てはわかりやすい。

母の胃瘻手術も父が独断で行ったけれど、あれも母が死んでしまっては自分の生きてく意味が薄れるから。母でなくても良いのだと思った。
実際、本当に愛する相手であれば、あんな辛い事をしてはいけない。死ぬに死ねず、生きるにも生きることが出来ない姿に。

父は先に逝くだろう。母をいたずらに長生きさせた事。どう責任とるのだろうか。

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