見出し画像

【経済効果】

新規需要が発生した場合に、各産業の生産額、粗付加価値額、雇用者所得及び雇用がどの程度増加するかを推計できることに使うための方便。景気動向を反映せず、過去の静的な数字を前提に論じているので、これに依拠した論者を炙り出す馬鹿発見器として機能している。

地方自治体においては、一国の貿易(輸出・輸入)にあたる移出・移入のパラメータを操作することや、代替効果を無視することで過剰推計が可能になる。また、そもそもの初期値について、行政にありがちな自信過剰な数値を代入することで、プロジェクト推進に向けての政治的な土壌を作るための一助として、経済効果が使われている。なお、企画段階で地方自治体の税収対比で論じられることは少ない。

本邦においては、経済効果が事後的に検証されることはほとんどなく、予算を議会通過させる材料となっているため、精緻に推計するシンクタンクほど費用対効果で馬鹿を見ることになる。この結果、公共事業の費用対効果については、お手盛りが留まらないのが現状である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?