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砂糖と醤油とみりんで煮りゃ大抵美味い

今度は実家から母が育児の応援に来てくれた。

家人がどうしてもと言うからお願いしたけれど、そもそも母が心臓病を抱えているから私も遺伝的に心不全を起こしたのであって、病人に病人の看護をしに来てくれと依頼したのも同然だ。

当然、ヨボヨボの母に買い物行ってくれだの洗濯物干せだの言えるはずもなく、料理以外は自分達でやることに。

考えてみれば、結婚式も挙げていないので家人がマトモにうちの母に会うのは2度目なのである。
「あんなに病人だとは…」と愕然としていたけれど、元気な人からすると病人の生態なんて想像つかないんだろうな。

実際、私も退院後は100メートル歩くと息切れしていた。
歩きながら喋るってかなり体力が必要。

「ゴホッゴホ、す、すまない、あなたが嫌いな訳じゃないんだけど、歩きながら喋るとしんどいんですわ…家に着くまで無言で頼む」

と息も絶え絶えになりながら家人に訴えていた。

それを深刻に捉えた家人が先日義母を召喚してしまったのだけれども、私からすると心臓病の実母は私が産まれた時からそんな状態だったので、慣れてしまってそこまでヤバいと思わなんだ。

母よ、北海道から呼んでしまってすまないね。

とはいえ、コロナ禍でずっと帰省できていなかったので久々の実家メシは泣きたくなるほど嬉しく美味しかった。孫娘も見せることができて良かったなぁ。

しかし実家を離れて初めて気付いたけれど、母は使いかけの包丁を放置してウロウロする人だった。

あっぶな!びっくりしたわ!!!

まぁ、父は全く台所に立たない人なので、長いこと2人で暮らしてそういう癖がついたのかな。
それか、昔からそうだったのかしら。

その他にも片付けの順番が私と違ったり、一緒に暮らしていた頃には気にならなかった事が目についた。

母とは20年以上一緒に暮らした筈なのにねぇ。
別の家庭を築くって、こういうことなのね。
しみじみ感じた五日間。

母も母で色々アップデートしていて、味噌汁にケチャップを一滴入れるようになっていた。

これがまためちゃくちゃ美味い!!!深みが増す。

早速彼女が帰ってからも真似している。出汁?そんなもん顆粒に決まってるでしょ。

2人分に対し一滴

TOKIOの松岡君が、豚汁にちょろっと豆板醤を入れていた。たぶんそれと同じ理論なのではないだろうか。グルタミン酸的な。(てきとう)

煮物ひとつとっても実家の味。
砂糖:醤油:みりん=1:1:1で大抵美味くなると思ってたけど、コクが違う。決め手はカンロ飴を一粒入れることらしい。

改めて、母はすごく料理上手だったんだなぁとしみじみ。
しかし台所は汚い。その辺母譲りです!と胸を張って言えそうだ。(張らんでいい)

やっと娘の1ヶ月検診の日がやってきた。

偶然、NICUで担当してくださっていた看護師さんに再会する。

娘の写真を持ち歩き、携帯の待ち受けまで娘の写真にしてくださっていてありがたくもちょっと怖い。退院からひと月経ってるんだけど。

もしかしたら初めての担当だったのだろうか。何はともあれ、お会いできてよかった。娘とのツーショットを撮ってお別れする。

しかし大学病院の1ヶ月検診はマジでやばい。
主治医のA先生が人気の先生だからというのも相まって、予約しても3時間待ちだった。

近くにあった整形外科も耳鼻科も、外来受付を終えて私服の看護師さんがお喋りしながら出てくる。それを横目に、病院の絵画を隅から隅まで観てしまうくらい暇。

A先生チルドレンがこんなにに多いのは人気の証だろう。仕方なし。

診察前に採血のため娘を看護師さんに預ける。
ギャアァァァ!!!!と奥の方から娘の悲鳴じみた泣き声が聞こえた。

きっと、採血に親が立ち会わないのはいたたまれなくなるからなのね。

早産児ですが3500gを超えました

丁寧で物腰柔らかく、優しいA先生にやっと会えた時には娘は疲れてぐっすりだった。

早産児はシナジスというRSウイルスの予防注射を打つのだが、今年は5月からとのことで急遽今回打つことに。

おケツに容赦なくぶすっ!と針を刺された娘。

ギャアァァァ!!!!

…ですよね。

ぐったりした娘の股関節の具合を調べたり、成長度合いを調べて検診は終了。

母乳の出や過飲症候群についても相談したけれど、完全母乳の場合は飲むだけ飲ませてOKと言われる。

あまりにも咽せるもんで、一度につき片胸だけずつ飲ませるようにしたら段々母乳の出が悪くなってしまった。やはり両胸飲ませようと決意。
とはいえ夜は少し長めに寝たいので、夜だけミルクを40ml足すことに。

今のところ、片胸10分→反対胸好きなだけ(とはいえ10分程度で満足している)
といったところで与えている。

スケールを借りて授乳量を毎回測っているけれど、やっぱり安心感は桁違い。借りてよかった。
たまに多過ぎたり少な過ぎたり「マジで?」という量を叩き出すけれど、ざっくりな安心材料にはなる。

おそらく雑に適当に育てても子は育つんだろうけど、手探りで日々奮闘中。

キツツキみたいにおっぱいを探して頭をゴンゴン私の胸や腹に叩きつけるさまも、
「もうお腹いっぱいでーす」とオランウータンみたいに下唇を出すふてぶてしい顔も、
自分のおならの音にびっくりしてジタバタするさまも興味深く観察している。日々刻々と変わってゆくのが楽しい。生物はすごい。

今週のお散歩おやつ。近所の喫茶店の珈琲とパウンドケーキ。

ここは客に合わせてカップを選んでくれる。

老夫婦が店に立たれているのだが、ご主人が淹れてくれると可愛らしいお花やウエッジウッドのイチゴ柄、奥様が淹れてくれると青系のキリッとした柄のカップで出してくれがち。

今回はご主人

人は多角的で、見る人によっても見える面が変わるものだ。

私もある時は妻で、母で、時に子だったり友だったり同僚だったりする。

どの面でも笑顔でいたいものだ。

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