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日本vsカメルーン~3バックの可能性~

コロナ禍の影響で2020年初めてとなった代表戦。
また史上初めてとなるオール海外組の日本代表。
イレギュラーばかりの代表戦だが、日本戦はどのような戦いを見せるのだろうか。

1.スタメン

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日本代表は恒例の4-2-3-1。今での実績を考慮されたスタメン選出となった。
一方のカメルーンは4-1-2-3。こちらも実はオール海外組であるが、その中でも注目選手は11エカンビ。リヨンに所属する選手だが、昨年までは久保建英が現在所属するビジャレアルに在籍しており、2年間で16得点を挙げている生粋のストライカーだ。吉田・富安の最終ラインはエカンビを抑え込むことが出来るか。

2.試合情報

得点
0-0

交代
後半0分(日本):IN14伊藤↔OUT20安西
後半0分(カメ):IN17オナナ↔OUT14エテキ
後半20分(日本):IN11堂安↔OUT17久保
後半25分(カメ):IN18エビナ↔OUT10エンガマル
後半26分(日本):IN9鎌田↔OUT10南野
後半31分(カメ):IN20オリンガ↔OUT21タベク
後半38分(カメ):IN19エングヤンサ↔OUT6オヨンゴ
後半41分(日本):IN21菅原↔OUT8原口
後半42分(カメ):IN3ルゴ↔OUT2ファイ

3.前半序盤~ハイプレスによる活路~

前半序盤は日本のハイプレスによって試合展開が左右されていた。
相手GKの足元がおぼつかないということもあり、大迫・南野が上手くCBへのパスコースを切りながらプレスをかけ、アンカーに対してもボランチの1枚が飛び出てきて対応するという組織化がしっかりなされていた。

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その一方で、ハイプレスをワンタッチプレーで交わされて自慢のスピードを生かした速攻を食らう場面も散見された。

4.前半中終盤~ハイプレス・絞りの意識による弊害~

前半中盤になると徐々にカメルーンがボールを保持する時間が長くなっていく。
カメルーンの主な攻撃パターンは左サイドから素早く右サイドへ展開し、つり出された安西の裏をWGが走りこむというものであった。前半だけで3度ほどこの形からチャンスを作られていた。
では、日本の守備陣形の問題点は何だったのか。おそらく守備時には横並びになる南野と大迫、そして原口のポジショニングだろう。

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ハイプレスへの意識の強さ故に、逆サイドにいる2トップの片方がCBへの意識が強く7のマークをボランチに受けたしてしまっていた。
また原口も守備意識が高いために中央に絞りすぎており、結果として逆SBに対して安西が、WGに対して吉田がつり出されるという後手後手に回ってしまっていた。
では、どのように守備を組織すべきか。

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アンカーの7番に対して、逆サイドにいる2トップの片方が絞ってプレスに行くべきであった。
もちろん前線の枚数が減るので奪った後の攻撃は厳しくなるが、その分2番に対して守備力の高い原口をぶつけられるので左サイドでのカウンターを組織しやすくなる。

5.後半~中盤6枚の強み~

日本代表は後半に入ってフォーメーションを4-2-3-1から3-6-1に変更した。

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まずはシステム変更したことにより、前半中終盤で後手に回っていた相手のパス回しに対してプレスの役割がハッキリした。

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相手の3トップ+2トップ下に対して3バック+2ボランチがマンマークになったことにより、役割が明確化された。特に11エガンビに対する吉田の対応は素晴らしく、後半はほぼ完璧に相手のキーマンを抑え込んでいた。
また、攻撃面でも大きなメリットがあった。それは、中盤で数的優位を創れるようになったことだ。

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堂安、そして途中交代で入った久保らが巧みにボランチの横のスペースでボールを引き出し、空いたスペースをSMFが積極的に狙っていく攻撃がしっかりと形になっていた。
特に右サイドでは伊藤が何度もチャンスを演出していた。

6.総括

イレギュラーばかりの代表戦ということで連携面では物足りなさを感じたが、後半のシステム変更後はかなり良い試合内容であった。
あまり3バックを採用してこなかった日本代表だが、退陣に強い富安・酒井が脇を固め、カバーリング・危機察知能力に長けている吉田が真ん中に鎮座しているというのはかなり理にかなっているのではないだろうか。
さらには中盤の枚数も増えた結果、2ボランチ・2シャドーが流動的に動いてボールを出し入れし、生まれたスペースを大迫とWBが狙っていく攻撃の形も出来ており、かなりこの3-6-1というシステムは今の日本のサッカー・メンバーに合っているのではないだろうか。
個人的には今後も従来の4-2-3-1ではなく、3-6-1に森保監督が活路を見出してくれることを願う。

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