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ひび

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日々のことについて文章を書きます。
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2021年3月の記事一覧

いつかぬめぬめ

お肌の調子がすこぶる悪い。何だかザラザラになっているような気がする。ニキビも目立つし、シミもある。

原因はいくつか思い付く。乾燥や、マスクによる蒸れ、毎日の髭剃り、それに加えて、不眠、不摂生、不潔といった悪しき生活習慣(3Fと呼ぶ)である。これら全てのチェック項目に当てはまる自分は、何とか改善して、魅惑のつるつるお肌を手に入れようと思った。良い歳こいてキモいかもしれぬが、男でも、つるつるお肌の方

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笑いと恋

以前とある知人に、お笑いマニアの独身女性は恋愛において困難の道を辿る、という話をされたことがある。それは、なかなかに興味深い話であった。

つまり、お笑いにハマると、自然と笑いに対する思いが強くなる。やがてマニアになると、おもろい奴はマジリスペクト、All need is laugh(笑いこそすべて)、といった考えに至る。そのため、「面白いかどうか」が日常における他人を判断する重要項目となり、更に

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ぐるぐる、へろへろ、ワーイ

金土日と、3日続けて舞台だった。自分は本当に体力が無い。死ぬほど疲れた。

(金)
東京の漫才師リボンズが主催のライヴ。彼らと会うのも一年以上ぶりであったが、再会しても、久しぶりっすねえ!なんて言わない。やあ、どうも、おう、って感じで、特に会話も無い。ここが新しい店だよ、と自慢げに言ったが、あんま変わらないっすね、とだけ言われた。

終演後、ピザを一緒にもさもさ食べた。時折はふざけながら、美味いね

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一年が経つ

我が店、ライヴ喫茶 亀が玉造に移転してきて、早一年が経つ。はや、と思う。去年の今頃は、慌ただしく開店の準備に追われていた。

細かい絶望は何度もあったが、全ては過ぎ去りし思い出だ。この場所にもすっかり慣れたし、愛すべき人々がやって来る。嫌いな奴は一人もいない。以前の店とは、また少し違う空気が流れている。これは、良いことである。ある人に言わせると、私は、変わってしまったらしい。それは、やや落胆を含ん

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押し黙る

ぱらぱらと散り積もる桜の花びらに埋もれた天使が、すやすやと寝息を立てている。薄ピンクのその花びらを、私は一枚ずつ数えている。

何か素敵な言葉を贈ろうと思った。けれども結局出てくる言葉は、他愛も無い文句ばかりで、本当はもう少しロマンチックな洒落でも綴りたいのだが、仕方あるまい。後になってから、あ~、なんて言っている。奥歯がずっと痛い!

今日は友達と音楽のライヴを見に行った。梅田のライヴハウスは、

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たとえばぼくが死んだら

これは勝手な持論であるが、死にたい、などとすぐに言う人のこと、自分は嫌いでは無い。

楽しく健全に暮らすこと。ただそれだけのことなのに、難易度は非常に高い。ちょっとでも気を抜くと大変な思いをして、未来を想うと嫌んなる。回避するには現実の諸々から目を背けるしか無くて、妄想したり、楽しい日々を思い出したりする。特別、優雅な生活がしたいわけでも無く、ただ、楽しく健やかに暮らしたい。だが、どういうわけか、

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歯医者

久しぶりに歯医者へ通っているのだが、この何とも言えぬ殺風景な匂いには、いつまで経っても慣れないものである。真っ白な診察室で、消毒されたスリッパを履き、消毒されたリクライニングの椅子に座ると、自分がとてつもなく汚い生き物のような気持ちになる。そして、この不潔な、悪臭漂う、髭もじゃらの怪物は、されるがままに仰向けになり、あーんと口を開くのだ。本当に恥ずかしい。口の中もそうだが、鼻の穴も丸見えで、鼻毛が

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ほにゃら

自信があるのかと問われれば、そら勿論、あるのだが、決してひけらかしたりはしない。

それに、自信と同じくらいに不安もあり、吐きそうになることもある。反省ばかりしている私だ。あぁ、今日も駄目だった、最悪最悪、と阿呆ほど溜め息をつく。性根が負け犬なのかもしれぬ。実際に何度も負けてきたし、これから先も、死ぬほど負けるのだろう。勝つとか負けるとか、そういうことじゃないのかもしれぬが、それでも負けたような気

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