一年が経つ

我が店、ライヴ喫茶 亀が玉造に移転してきて、早一年が経つ。はや、と思う。去年の今頃は、慌ただしく開店の準備に追われていた。

細かい絶望は何度もあったが、全ては過ぎ去りし思い出だ。この場所にもすっかり慣れたし、愛すべき人々がやって来る。嫌いな奴は一人もいない。以前の店とは、また少し違う空気が流れている。これは、良いことである。ある人に言わせると、私は、変わってしまったらしい。それは、やや落胆を含んだものであった。けれども、私からすれば当たり前のことだった。私は、むしろ、変わらなければならない、とさえ思っている。なぜなら、人は、そう簡単に変わることは出来ぬからだ。

私は、実は何も変わっていなかった。見る人が見れば分かるはずである。私はその人に、きみも少しは変わった方が良い、では、お先に失礼、と言っておいた。

ラッキー・ボーイの私は、どんな困難も身軽にかわすことが出来る。それに、新しいアイデアが、まだあるのだ。今年は、ここでもっと沢山ライヴをしようと思う。誰が見に来ても恥じないライヴがしたい。わざわざ見に行って良かった、と思わせたい。あぁ、もっと面白いことがしたい。

あなた、もしも退屈ならば、ここに来れば良い。何か見つかるかもしれぬ。何も見つからないかもしれぬ。少しくらいは気が紛れて、笑えるだろう。

何もいりません。舞台に来てください。