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優しさ観測 2022

  今年は「1年生」の年だった。
僕が大学に入学した直後、世間はコロナ禍に突入した。そして今年、ようやくコロナによる規制が緩和され始めた。僕は3年生にして初めて、まともな対面授業やサークル活動を経験した。やはりこの2年間はどうあがいても空白だったのだと痛感した。しかし、その2年の影響を振り返っても今年は報われない。

 暗い出来事は、ブラックホールのように明るい出来事を吸い込み、見えなくしてしまう。忘れてはいけないのは、暗闇の中にあって初めて見える"輝き"があるということだ。大都会の夜空にも月は輝く。

 だから僕は、人との関わりが回復した今年だからこそ忘れられずにいる「優しさ」に焦点を当てて総括にしようと思う。ここでいう「優しさ」とはコミュニケーションを円滑にするための優しさと区別されたものである。つまり、社交辞令や保身からは生まれない純粋な優しさである。この「優しさ」はどれも、見た目にキラキラしていなくても、持つ者を輝かせ、受け取る者を温める。


「2022年 個人的に忘れられない人・モノ」
(順不同)

・引越して来た僕が荷物を運んでいるのを見て台車を貸しに来てくれた、これからご近所になるおじさん

・カラオケが苦手なはずなのにトップバッターで歌ってくれた幹事

・子供の「〇〇って知ってる〜?」に、なんでも「え!知らない!」と返すお母さん

・プチトマトの切れ込み

・カレールーの場所を訊いたら、ジャガイモが安いことまで教えてくれた店員さん

・駐輪場でチャリが引っかかった僕を助け、「ここの車輪止めヤバいですよね」とフォローまでして去っていったシティーボーイ

・W杯コスタリカ戦と天秤にかけてサークルのライブを観に来てくれた友人

・まかないを山盛りにしてサラダもつけてくれる店長

・だいぶ前にあげたプレゼントのラッピング

・初対面なのに「良いお年を」と言ってくれた薬剤師さん

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