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黒い瞳と、小麦色の肌。

南の島から、都会に迷い込んでしまったような、女の子。

まんまるの大きな黒目が、可愛らしい。右目は一重。左目は奥二重。疲れていると、右目も二重になる。下唇は夫に似て、ぷっくりとしている。

4年半まえ、長女はこの世に産まれ落ちた。

背中からおしりまで、びっしりと生えた産毛。もちろん髪の毛もしっかり生えていて、耳にまでかかっていた。「校則違反だ」と笑った。胸のうえで抱くと、体液の匂いがした。生き物だなぁと思った。わたしに似て、毛量のある直毛。ざくざくと切ったおかっぱヘアが、よく似あう。

赤ちゃんは、生後3ヵ月くらいで首がすわるらしい。
分娩台の横の台に置かれた彼女は、うつ伏せで首をまるでスッポンのように、ぐるんぐるんと動かしていた。エネルギーの塊だった。

「赤子」の文字のとおり、生まれてすぐは赤茶けた肌の色なのかと思っていたら、小麦色の肌の女の子だった。

女の子向けのパステルカラーや、フリフリのベビー服は、全く似合わなかった。代わりに、ビビットカラーやアースカラーの服が、その肌によく映えた。

初対面では、「よく焼けているねぇ。お外でいっぱい遊んでるんだんねぇ」と、肯定的に受け止められる。

たしかに外あそびは、大好きだ。そして、春夏秋冬、頭から足先までこの色だ。

黒いまんまるな瞳と、この小麦色の肌が、彼女そのもの。本当に可愛らしい。

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