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何のために?と、体験過程

「因数分解なんか将来に何の役に立つの?」
質問のようで質問する気なんて全くないこの手の子どもたちからの訴えは、子どもたちと関わっていたら無限に聞かされているのではないか。
 
結論からいえば、多くの人にとって因数分解そのものが将来に役立つわけがない笑
 
でも、因数分解の問題を解くことでしか刺激されない脳のどっかの部位はあって、それでしか鍛えられない脳の機能はあるのかもしれない。
他の計算問題や科目や行動だけでは動いていない、因数分解のときに働く何かがどこかにあるのだろうから、やっぱり少なくとも因数分解だってその意味では役に立つんじゃない?というのが私の考え。
脳科学的なものはわからないから、知らんけど。
だいたいそんなこと言いだしたら跳び箱も縄跳びも将来に役になんか立たない。
縄跳びで職場に出勤している大人を私は見たことがない。

ところで話は変わるけど、自宅のキャットタワーを作ってみた。

今のところ7割くらい完成。日々のお仕事があったりしながらの行程なので、超スローペースですが、ジワジワ地味に楽しんでます笑
職人さんだったら1日でできることを素人は1週間かかる。

そしてそのこと自体に価値がある。

完成品、到達地点そのものに価値を見いだすのではなくて、大事なことはそこへ至るまでの体験だと思ってる。
もっと厳密にいえば、哲学者で心理学者のジェンドリンが言うところの「体験過程」だ。
 
体験過程(Experiencing)というのは、文字通りの体験だけでなく、その間に刻一刻と微妙に変化し続ける心の動き。その時々に感じられるもののこと。
捕まえようとしたらもうどっか行っちゃってるようなモンシロチョウみたいなヒラヒラしたものなんだけど、この体験過程が人生だと思う。
だからすぐ出来上がったり、すぐ答えが見つかったりしてしまうと、なんか大切な体験過程の機会を逃してしまうような感覚になってしまう(それもまた体験過程ではあるけれど)。
 
ものすごく繊細でフワフワした話ではあるけれど、とにかく世界はこの体験過程の連続だ。

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