公認心理師の島幸樹イマココblog

公認心理師。教育と福祉が特に専門です。 学習塾の経営、心理相談や研修事業の運営などを…

公認心理師の島幸樹イマココblog

公認心理師。教育と福祉が特に専門です。 学習塾の経営、心理相談や研修事業の運営などを経て、2024年ハートトラスト株式会社として法人化。発達の気になるお子さんの学習支援、心理サポート等を行っています。

最近の記事

何度でも

定期的に会っているご相談者様のお子さんの話。 検定試験を受けるらしいのです。 しかも今回は3回目。 1回目はほとんど勉強していなかったらしく、2回目はもうちょっとのところでダメだったらしい。 どうしてその試験を受けることになったのかの経緯を私は知りません。 でも本人が受けるというのだから、何かあるのだろうかと思います。 何度も落ちているから、やはり周りから何かと言われるそうです。 向いていないとか、かっこ悪、とか。 私は、何度も落ちることはかっこ悪いとは思っていませ

    • 傷つきやすい人と、そうでもない人

      例えば、お友だちと近所のお好み屋さんに食事に行ったとします。 店員さんが注文を聞きに来てくださったんだけど、こちらが注文を言い終わるや言い終わらないやのうちに「以上ですね。お待ちください」とサッと去って行かれたんですね。 客観的にいえば、注文を聞き終わったから厨房に戻っていっただけなのかもしれないけれど、こちらはなんとなく心がチクチク痛んだりします。 お好み焼きを食べ終わり、その友だちと「じゃあ、またね」と声を掛け合って別れるときに、なんとなくその友だちの「じゃあ、またね」

      • 一撃で刺す言葉

        1.とあるカンファレンスの場にて先日、子ども達のことについて話し合う場にいたときのこと(適当に話を脚色していますこと、ご理解ください)。 誰かと一緒にいてて、腹を立てたりするなど、相手に感情的になるときがあります。 例えば子どもと関わる人なら、相手の行為に対して注意しなければならないときがあります。 例えば大人であっても、相手の振る舞い方、やり方に対して「それはおかしいよ」を伝えないといけないときがあります。 それは、相手のこと(やその場の人間関係や組織など)を本当に思

        • 自分のことを受け入れる、って?

          「自己肯定感」というのは、自分のことをまるっと受け入れられる感覚のことです。 自分のことをまるっと。 それは、 出来るところも出来ないところも、 イケてるところもイケてないところも全部ひっくるめて、ということです。 行動力があって、 かつ丁寧というのも自分らしいところならば、 飽き性で、 頭の回転が遅くて、 あと計算が苦手というのも自分らしさ。 自分の中の都合の良い部分だけを見せて、都合の悪い部分にフタをするのではなくて、いわゆるその都合の悪い部分だって自分自身。

          私は私、あなたはあなた

          「ゲシュタルトの祈り」が私は好きです。 他人との距離を感じて冷たい印象を持たれる方も多いのですが、私はまったくそのようには解釈していません。 アドラーもたぶん同じようなことを言ってます(「ゲシュタルトの祈り」はパールズの言葉です)が、自分のこと、自分以外の人のことを混ぜると心はしんどくなることがあります。 もう一つのブログにも書いたのですが、人が自分のことを自分で決めたときの顔は素敵だと私は思うし、私はそれを信じたいと思います。 別の例でいえば、他人から何か嫌なことを言

          気のせいにしておこう

          なんとなく身体がだるくなってきたり、なんとなくイライラしたり。 また、誰かと一緒にいてもコミュニケーションがなんとなくうまくかみ合わなかったり、なんとなくうまく事が進まなかったり。 なんとなく、 なんとなく調子が良くない。 と思っているとお昼下がりに最近よくあるゲリラ豪雨。 気圧が急激に変化します。 台風が発生したときや近づいてくるときなどもそうです。 お天気病といったり低気圧不調といったりもします。 個人差がありますが、人によってはかなり敏感に影響されるようです。 で

          私は何を期待したのだろう

          こういうの気をつけないといけないなぁ… と先日私が反省したことを書きますね。共感いただける方がいらっしゃったら幸いです。 ラジオを聞いていたら、かつてヒット曲を生み出した歌手の方がDJをされている番組がやっていて、何気なく聞いていました。 だいたいいつも何気なく聞いています。 で、その人のトークをしばらく何気なく聞きながら、ふと思ったんですね。 「あんなに素敵な歌をたくさん歌っていたこの人も、しゃべったら普通のおじさんなんだなぁ…」と。 「それか、時が経って今では普通のお

          私は何を期待したのだろう

          傷つきと気づき

          「傷ついた治療者」という言葉があります。 他人の心の傷を癒す立場の人は自らも傷ついた経験をしていて、苦しんだり悩んだりしながら克服したからこそ、相談者や患者の傷を癒すことができるということです。 精神科医のフロイトやユングも傷ついた治療者として自身の学説を生み、また治療を行ってきた人ですし、カウンセラーや医者以外で身の回りにも、何かに苦しんでそれを克服したからこそ他人のそれに向き合えているという人はたくさんいるのではないでしょうか。 ところで、私は支援の仕事に関わる一方、学

          避けるほどに追いかけてくる

          昼間は夏だけど、夜になると秋。 9月になりました。 この前の台風は大変だったけど、あの前後で季節の感じも少し変わったように思います。 夏も終わりですね。 打ち上げ花火を見上げながら、ずっとこんなだったらいいのにと感じたり。 汗をかきながら食べたかき氷。頭がキーーンってなったなぁとか。 真っ黒に焼けた子ども達の表情を見て、こっちまでにやけてしまったこと。 まだ何か置きっぱなしにしてきてるような、でもだんだん遠ざかっていく夏の思い出。 同じ夏を一緒に過ごして一緒に感じたあの感覚

          避けるほどに追いかけてくる

          ひとりの時間

          お昼を一人で外食することが多いです。 ラーメンとか、牛丼とか、回転寿司とか。 先日そんな話を中学生たちとしている中で 「回転寿司は一人で行けない」ということをそこにいた一人が話してくれました。 牛丼やラーメンは一人でもOKだけど、自分は行かない…という意見が子ども達の間ではほぼ共通認識だったようです。 私も中学生だった時期があるので、彼らのその認識に意外な感覚はありません。 「うんうん、そう思うよね」って思います。 ただ、ラーメンにせよ牛丼にせよそして回転寿司にせよ、一

          「入れて」が言えない

          いつもありがとうございます。ハートトラスト代表、公認心理師の島幸樹です。 《うちの子、お友だちに「入れて」が言えないんです。どうすればいいですか?》 と相談されたことがあります。 「人見知り」な性格、「恥ずかしがりや」の子。 それで済んでしまうなら、その親御さんも悩んではいないし、相談もされないはずですよね。 今日は、そのご相談のお返しに関連して、ブログなのでそれにちなんだお話をいたします。 1.「シャーペン、貸してもらえますか?」 中学生の男の子を見ているときの話で

          だったらどうする

          竹野内豊さんが出ているタクシーのCM。 「どうする?」っていうシリーズがいつも面白いです。 ピンチにおちいって、どうしようもないときがあります。 また、やりたかったことがなかなか思い通りにうまくいかなくて、あきらめてしまいそうなとき。 そう、神様はどういうわけか、時々私たちをこうやって悩ませてくるんです。私たちに何を求めているのでしょうか。 「正範語録」というものには、こう書かれています。 真剣だと知恵が出る 中途半端だと愚痴が出る いい加減だと言い訳ばかり 私はこ

          本当の気持ち…

          ゴミの日。 可燃ごみの日なのに、ペットボトルを数本だけコッソリしのばせて、シレッと出してみたり……。 いやいや、そんなことやってはいけないことです。 それに、ゴミ収集車が行った後に、うまくいったかどうかをそっと見に行ってみると、案の定、自分が出した例のペットボトルだけが持っていってもらえずそこに置いてあり、しかも「決められた日に出してください」と書かれた張り紙までがベタっと貼り付けられてあったりして……。 だいたい、そんなものです(汗 職場でちょっと嫌なことがあった。 イ

          地図は土地そのものではない

          いつもありがとうございます。 ハートトラスト代表 公認心理師の島幸樹です。 「〇〇さん、その服、かわいいね」と声を掛けると、関西人の人の多くは「そう?これ、安かってん!」と答えるらしいです…笑 服の値段のことを言ったわけでないのに。 これは謙遜だったり照れだったりもあってそう答えてしまうということはあるだろうし、また「安い値段で買うことができた」ということにその人の価値観の高さなのかもしれません。 またある方は、「ありがとう! これね、△△で最近買ったばかりなんだよ」とか

          地図は土地そのものではない

          「道徳」と「SST」(ソーシャルスキルトレーニング)

          いつもありがとうございます。 ハートトラスト代表 公認心理師の島幸樹です。 子ども達と一緒に過ごす中で、SSTつまりソーシャルスキルトレーニングを行うことがあります。 「SSTをするぞー」という時間をあえて設けることもあれば、学習の時間や遊びの時間の中でヒョイと挿入することもあります。 実際、後者の方が多いし、また後者の方が現実の社会により近いわけだから私は好きです。 「さあ、SST講座の時間です」とあえて作るというのは、実験室の中で実験に必要な条件を整えて行うようなものな

          「道徳」と「SST」(ソーシャルスキルトレーニング)

          やった通りになる

          毎日暑い日が続きます。 子どもたちは今、長い(短い?)夏休み。 私は20代30代を学習塾経営者、学習塾講師として生きてきたので、 夏→夏休み→夏期講習 といった図式は夏になれば今でも頭に浮かびます。 「夏を制する者は受験を制する」という言葉がありますが、やはり夏にやった成果は秋冬で出てくるものです。 そして40代の今は、それが夏に限った話でもなければ、受験に限った話でもなさそうだなぁと考えるようになりました。 先日私はこのブログで、「すべてはタイミング」だということを書きま