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アウトドア派かインドア派か。甲斐犬サンボのトイレ事情
トイレトレーニングは、人間の赤ちやんの場合、本人に「覚えてもらって」練習する最初の関門といってもいい。犬も然り。ペットショップからやってきたりや保護犬を譲り受けたりした場合、トイレトレーニング済みの場合もある。また、先輩犬や親が一緒にいる家では、見様見真似で覚えてくれることもあるのかも。一応、サンちゃんもトイレトレーニングを試みてみたことがある。今は、「おしっこ匂いつきシート」なんてのがあって、そこでするように誘導されるらしい。
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サンちゃんが生まれた地区は、野山、山林がすべてトイレ、というところだ。下手したら、人間だって、野糞(失礼! )しているかもしれないような場所。畑や庭や人目につきゆやすいところ以外は全てトイレになる。そして、土にかえり、虫たちが分解作業を行う。だから、田舎にいた頃はトイレ袋も持ち歩かなかった。
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かといって、放し飼いではないので、どうしても庭でうん○をしなければならない場合、サンちゃんは丁寧に鼻で隠していた。おしっ○は、2箇所くらい、決められた場所があり、そこの草だけは枯れている。除草しっ○か?
アウトドア派ではあるが、サンちゃんは丸見えのところではしない。そう、用を足ししている無防備な格好で襲われたりしたら大変だという野生の教えが働くらしい。公園は公園でも、端っこの植え込みの中とか、緑地は緑地でも歩く場所を外れた急斜面だとか、草が生い茂っている空き地とか、駐車場のすみっことか。歩道とか人通りの激しいところではしない。丸見えで危険じゃん! と。だから、植え込みの中を腰をかがめて散歩している人に会うと、「同志よ!」と思いながらもそっと立ち去る。
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犬たちはデリケートで、他の犬に会う、鳥が飛び立つ、猫がいた、バイクが通り過ぎる、何かが落ちる大きな音がした……そんなことで、せっかくかがめた腰を元に戻し、何事もなかったように歩き出す。この、最初のトイレポイントにつまづくと、1時間以上も探し回った挙句、成果なしになったりもする。その間、飼い主の頭の中は「うん○」のことでいっぱいになり、お尻の穴ばかりを見つめながらの散歩になる。かと思えば、反対に犬友にあって興奮すると、すぐにもよおしたりして挨拶もそこそこに座を外すこともある。
うん○済ませるまでの引っ張りも半端ない。息も荒く、「サンちゃんが近づいて来るの、鼻息でわかるわよ」とコタツ(柴犬・7歳・雄)のおかあさんに言われるし、大好きな茶丸のお姉さんに挨拶もせずにまっしぐらに目的地に向かう。まあ、人間だって、急を要するときはそうだよね。そして、それさえ終われば、スッキリゆったり歩ける。だから、アウトドア派の飼い主たちは、回収したビニール袋を持っているか否かで、「うん○済」を確認し、「否」の場合は、憐れみの念を隠しきれない。このビニール袋も「うん○用」のものもあったりする。野菜保存用のポリ袋の方がリーズナブルかなと思いきや、やはり「臭う」ので、専用の「うんち袋」の方がかえってお得かもしれない。
さて、引っ越して3ヶ月すぎた頃、辺り一体で困った事態が起こった。この界隈でうん○放置している輩がいるのだ。もちろん、放置しているのは犬ではなく、飼い主だ。しかも、歩道の植え込みとか、道路のわかりやすいところとか、公園の芝生の真ん中とか。えっ? このわかりやすさで放置するとは、てえした度胸だな、おまえさん、と言った具合だ。
サンちゃんは顔が広いが新参者で、「新しく来た犬がルールを知らない」と思われたりしたら困る。しかし、いったい誰なんだ?
けっこう大きなと犬がした思われるうん○が緑地の入り口にデンとあったりすると、サンちゃんの顔も曇る。っているようにみえる。そりゃそうだよね、縄張り宣言されているようなものだから。
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至る所に立て看が取り付けられていて、監視カメラを設置した家もある。さらに文言もエスカレートし、「公園はトイレではありません!」と書かれていたり、
「トイレは家ですませましょう」
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とか。うーん。それは人間だって、不測の事態があるのにな。しかも、サンちゃんはアウトドア派だから、無理だし。「外でしてもよいが持ち帰る」が基本だろう。
で、できる限り持ち帰りたいのだが、急斜面でリードを目一杯伸ばしてうん○をした場合、回収が困難極まる時もある。足を滑らせて2〜3メートルであるが滑落の可能性だってある。しかも、サンちゃんというより、犬たちは、用を足すと、一刻も早くその場から立ち去りたいご様子なのだ。一度なんか、斜面で回収に没頭している時、サンちゃんの体が高い位置にあり、頭を下げる格好になったため、するりとハーネスが抜けたことがある。うん○袋を放り出し、サンちゃんをガシッと抱きしめ、事なきを得た。いつでも、散歩は真剣勝負なのだ。
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そこで、開発したのがこの秘密兵器だ。
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超カンタンな装置。急斜面でウン○しても、スッキリして力みなぎるサンちゃんを片手に斜面を下り、ウン○を回収する作業からおさらば。自分が転ぶ、サンちゃんのハーネスが抜ける、他の犬が通りかかったり、猫がいたり、鳥が飛び立ったりしても、大惨事を回避できる。最初は記憶してみたのだが、後で回収しに行くと、葉っぱや草と同化していて、発見できず。次に木の枝などを目印に置いておいてみたが、飛んでしまったり、誰かが踏んだりで、わからなくなってしまっていた。一応、「後で回収します」と書いてある。プロトタイプなので、改良も可。ゴルフティーみたいなものでもよいかも。ゴミ挟みを携えてあとで落ち着いて回収するころには拾いやすい固さになっているし、お腹の調子を崩しやすいサンちゃんのうん○観察にもなるし。最近は、スマホで目印と一緒に写真を撮ったりもする。
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そして、雨の日も雪の日も嵐の日も。アウトドアトイレ派に休みはない。
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少なくとも、サンちゃんのうん○は放置していない。残念ながら、目に余る、他の犬のうんちを持ち帰るほど、まだ心は広くない。
ちなみに、犬たちのトイレについての記事。参考になりました。