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いのちのバトンと、話題の○○

◉2月21日。思いのほか、体調の変化が早かったこともあり、2つの病院の先生方や地域連携センターの力も借りながら、緩和ケア病棟への転院を模索してきたこの1週間。相談先の病院から、「検討会が今、終わりました。水曜に病室をご用意できます」という電話をいただいたときには、涙が止まらなかった。正直、間に合わないかもしれないと思っていたから。

「緩和ケア」とは、病の治癒を目指すのではなく、痛みや不安をやわらげるために力を尽くすこと。面会の制限はあるとはいえ、週に一度くらいは孫たちの顔も見せてあげられるかもしれない。気持ちに小さなやすらぎや喜びを与えてあげられるかもしれない。そう思うと、ホッとした。

夜。夫からメールが届く。「熊本でコロナ患者が出たみたい」。絶句した。

実は、先週はじめに緩和ケアの病院に相談に行った際、「インフルエンザや新型コロナの影響で、基本的に面会禁止です」と言われていたのだ。母だけならまだしも、緩和ケア病棟にいるのは免疫力が落ちている患者さんばかり。県内に新型コロナの患者が出たことで、さらなる規制強化は免れないだろう。

これからどのくらい、母と会えるのだろう。言葉が交わせるうちに、ぬくもりのあるうちに、子どもたちと母を会わせることができるだろう。


最近、とても不安定な長女。祖母との別れが近いことを、彼女なりに受け容れようとするがゆえの心身の変化だろう。なおのこと、会わせてあげたい。それは母の「緩和」のためでもあるが、いのちが終わりへ向かう、そのひとつひとつの過程を目の当たりにすることで、のこされる人たちに心の準備をさせてあげたいという意味もある。いのちのバトンを、つなぎたい。

◉2月24日。不安が募るなか、こんな記事を目にした。

*************<以下、引用>**************

数ではなく、このウイルスがなかったらもっと長く生きられたはずの人たちの人生があったことを想像する力がこのウイルスとの闘いには必要だと私は考えている。

*************<引用ここまで>*************



ひとつ付け加えるとすれば、長く生きられたはずの人の人生もそうだが、会いたい人に会えぬまま命をとじることになるかもしれない人の人生というのもある。


   ただただ、やるせない。


感染拡大対策として、さまざまなイベントや催しが中止や自粛をされるなか。経済面への影響を危惧する声も少なくない。規制もそうだが、何よりも大切なのは、「自分の身は自分で守ること」。

マスクや眼鏡、手洗い、うがい、除菌スプレーなどの予防策を講じるのももちろんだが、滋養のつく食べものを食べ。湯舟にゆっくりつかってリラックスし、自律神経を整え。できるだけ良質な睡眠をとって、免疫力をあげること。ひとりひとりの習慣の見直しが、ウイルスや病に打ち勝つ力をくれると、信じている。忙しい人ほど、だ。

免疫力、あげてこ。

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