正しさよりも優しさを
Twitterはほぼつぶやかない。好きなお笑い芸人さんや構成作家さんをフォローして、告知を見るためにアカウントを持っている程度だ。だから、有名人の不倫やら何やらのニュースが出たときに、一生懸命(?)、人を叩き、トレンドワードに入っている事態に、いつもびっくりする。正論を振りかざして一生懸命になっているあなたはいったい何者?って思う。
そんな折にドラマ『Silent』を見て、『Subtitle』を知った。サビの二番の歌詞『正しさよりも優しさが欲しい』というフレーズを聴き、これに尽きると思った。
求めているのは、「優しさ」なんだと思う。辛いときにかけられたい言葉も、間違いを犯したときに言ってほしい言葉も。
昨年祖母が亡くなった。亡くなる前まで姉は祖母にきつくあたられていたと聞いた。私は地元を離れているから、話を聞くことしかできなかった。
姉の旦那さんは海外赴任中で、姉が海外赴任についていくと決めたとき、旦那さんにこう言ったそう。
「おばあちゃんと最期のお別れと思って、ついてきたよ」と。
旦那さんはこう言ったらしい。「そんなひどいこと言ったらだめだよ」
姉はそう言われたのが嫌だったと、後に電話で話してくれた。
確かに旦那さんの言ったことは正しい。でも、きつい言い方だとわかったうえで姉が発言しているとするなら、旦那さんからの言葉は姉がかけてほしかった言葉ではなかったのだと思う。
この一件で、正しいコトバで人は救われないのだなと知った。
後日、この話を焼き鳥を食べながら夫に話した。
夫は「俺は、お姉さんのように思わないってことは自分のおばあちゃんに恵まれてたんやな」とつぶやいた。
優しいな、この人は。
姉はきっとこういう優しい言葉を待っていたんじゃないかな、と気づいた。
正論を言うのはよくないと思いながら、私はときに安易に正論に頼ることがある。
そんなとき、夫だったらこの人になんて声をかけるだろうと想像しながら言葉を発すると、正論マンにブレーキをかけられるかもしれない。
正しさよりも優しさを、伝えられる人になりたい。
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