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入道雲が恋しい

雲が大きいから、幸せだと思った。

夫と住み始めてから、幸せ感知度がバグっている。ベースがほかほか幸せだから、底冷えしないというか、嫌なことがあってもそれは上辺だけの嫌で、底は温かいままという感じ。

去年の8月散歩をしていたら、住宅街に大きな大きな入道雲がにょきにょきっと現れた。ワニが空に向かって吠えているように見えた。

近所を散歩していたら、突如眼前に飛び込んできた雲

生きていることにありがたみを感じた。

この雲を見た日から半年が経った。それは私たちが妊活を始めた月日でもある。最近の私は、子供がほしいとほしいと思うあまりに、脳内がそれで占拠されてしまっている。仕事を抜けてクリニックに走り、タスク的にタイミングを取り、生理が来て失望する1か月を6回繰り返した。

あと何回繰り返すのだろう。

クリニックに通ったり、タスク的タイミングを取る体力面よりも、自分たちは妊娠できないのかもしれないということが事実として自分に少しずつ染みわたってくることの方がけっこうこたえた。

二人でいるのが幸せだと思っていたあの日々から、今、子どもがいないから「幸せが足りない」と思い始めてはいないだろうか。

なるようになる。なるようにしかならない。たったそれだけのこと。

夫と二人で生きるのも良い。子どもがいたらもっと楽しいことがあるかもしれないけど、この人と一緒にいれれば、それで十分うれしい。

この気持ちをほくほく携えたまま、妊活に本気で取り組みたい。

生理が来るたびに闇落ちしないように、8月に雲を見て感じた幸福を思い出そう。

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