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ここ、好きだな~と2日連続お店に行ったら、お店に立つことになった

突然の繁忙期に、蔑ろになる食生活。ふと気づくと空腹の19時過ぎ、大好きな “飲んで食べる” を楽しむ余裕がない日々の中、せめて身体に良いものを食べたい。それならあそこだ、とミヤモト惣菜店にお弁当を買いに行く。

これまでお弁当は他の販売場所で購入していたので、お店に行くのは初めて。

店頭ですみません、お弁当売り切れなんです、と言われてふと店内を見ると、お惣菜をつまみに酒を呑むサラリーマン。店内で食べていきます、と考えるより先に口にしてカウンターに入る。

お弁当で時々食べていた蒸し豚は、お店で頼むと蒸し直してくれた。ほわほわの蒸し豚を食べながら、自分の身体が緩んで、絡まっていた頭の中が解けて、あーおいしい、と脱力した。
今日はもう仕事は切り上げちゃおう。明日早起きすればいいや。
久しぶりに純米酒を呑む。
うー、おいしい。風の森最高。

もっと早くお店に来れば良かった。
コンパクトなのに居心地の良い店内。
しみじみおいしいお惣菜。
みんな行儀良く楽しそうに飲んでいる。
カウンターで新しい会話が生まれる。

今度誰かを連れて来たいな。
おいしいものとお酒が好きな人たちの顔が順番に浮かぶ。
そういえば明日、1人で飲めるお店を紹介して欲しいと言われてた。彼女とここに来ようか。

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翌日に女子を連れて店を再訪すると、3年ぶりに再会する酒仲間が居た。確かにこの店にぴったりだ。思わぬ再会に会話が弾む。
最近どこで飲んでいるの?お酒の活動はどんな感じ?あの店最近行ってる?あの人元気かな、この子はあそこの店主に紹介されて連れてきたの、等々話していると、何となく頷いていた店主が口を開く。
「私の好きなお店と被ってますねぇ。あんまり同世代の女性を見かけないので驚きました」

確かに同世代の女子にはあまり会わないなあと返しつつ、ふと思い出す。
「そういえば今週、某店の周年イベントでこちらのお惣菜いただきました、おいしかったです」
「!私もいましたよ、遅い時間ですけど」
「えっ私も遅い時間でしたよ。…あ、カウンターの右側にいました?」

背の高い女性がいたな、とまっすぐの背中を思い出す。
「そうですそうです。いらっしゃったんですね」

あの夜はいい夜だった。
東京の居酒屋で自分の第三の場所を得たサラリーマンが「いつか自分も誰かの第三の場所を」という想いを持つ中でナチュラルワインに魅了され、脱サラして地元高松で始めたワインバーの一周年。

一人で寄ったが久しぶりに会う人との会話が弾み、そこで新しい出会いがあり、初対面女性を含めて4人で会話が盛り上がった。集まった人の嬉しそうな顔と溢れるおめでとうとありがとう。そこには誰かの第三の場所を作っている店主がいた。おっとこれはまた、別の話

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「ここ、“深夜食堂” みたいでいいすね。人の距離感が近いのに心地良くて、お酒もお惣菜もおいしくて、完璧だ…」
褒めちぎっているのは本心だった。ありがとうございます、と店主がはにかむ。

「ラストオーダーが20時って早いんですね、深夜までやってたら最高なのに~」
これも心の底から出た言葉だ。21時や22時までオフィスで仕事をし、もうお腹すいて無理、と牛丼ご飯少な目頭大を食べその場でハイボール、元気があればちょっと店を変えて好きな酒を2杯だけ飲んで帰るような生活をしている時期だった。

「じゃあ遅い時間、お店やってもらえます?」

店主の小気味いい返しのひとつに過ぎないかもしれないこの一言から、お店に立つという話が具体化した。
連絡先を交換し、これまでのこと、自分のこと、やりたいことを会話して、お店のこと、店主の話もたくさん聞いた。その中で、少しでも力になりたいと素直に思った。

やりたいこととやるべきことの狭間の中で、誰にとっても時間も体力も有限で、私はいつも取捨選択をもって切り捨てたり諦めたりしてしまう中、彼女はずっとやりたいことを見つめ続けて、真ん中の部分を大切に活動していた。

ひょうひょうとして見える彼女の真摯な思いを、可能な限り叶えるお手伝いがしたい。それはボランティア精神なんてものではなく、純粋に「私のやりたいこと」になった。

また、繁忙期で目の前のことに頭ぐるぐるしている中で、全然違うことを考える、ということが当時の私にはとても大事な時間だった。仕事のこと以外は考えている場合じゃない、とどこか追い詰められていたけれど、「これができるかもしれない」「お店のことをもっと知りたい」と隙を見てはお店に通い、閉店後に店主と会話を重ねる時間やお店のおいしいご飯がこの時期の私を支えた。

私がお店に立つのにどんな形がいいのか、店主と一緒に考え、形になってきた。自分の仕事の状況によって予定より遅れてしまい、またコロナショックな時期だけど、3/14から金・土で始めることに。

それとは別に店主がお店をこうしたい、こういうことをやっていきたい、と考えていることがまだたくさん眠っている。それらをきちんと掘り起こし、形にしていくお手伝いをできたら。そしてお店が盛り上がって、このお店がずっとあったら、私はうれしい。

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というわけで、下記告知のBARタイムに立ちます。しばらくは、店主が付き添ってくれます。ドジっぷりを発揮しまくると思いますが、温かい目で見守ってください、というか飲みに来てください。
そして通常営業中に一緒に行く人常に募集中。

ミヤモト惣菜店
香川県高松市内町4−14
11-14時・17-20時/金・土のみBARタイム営業有20-23時
定休日:日・月
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(最近、告知画像作れるようになってうれしい)

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