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メール署名と「拝」について

こちらも、ネット検索で出てくる内容とは違うマナーのお話です。
(マナー講師って、どうなってんだろ?)

手紙がFAXに、そしてメールへと、通信手段が変わってきました。
私が英文レターに「FAX」と書いた際に、上司に叱られたのも、遠い昔の話です。
(なんでも、上司がファックに見えるからあり得ないとのことで)

最近、ちょっと違和感を抱いていたのですが、たまたま私の塾生さんで
物腰の柔らかい女性が使ったので、それは辞めた方がいいよと話しましたので、
共有しておきたいと思います。

メールですが、起業家も会社でも同じで、オフィシャルなメールには、
署名をつけます。

氏名、会社名、住所、電話、FAXなどです。
起業家は、ビジョンや会社理念を入れている方もいます。
業務内容や、メディアに取り上げられた情報などを入れる方もいます。

名前だけで署名なしの方もいらっしゃいますが、
目上の方には避けた方が賢明です。
フルネームで署名も入れるのが、丁寧できちんとした印象です。

最近よく見るのが、氏名+拝 で署名なしです。

これですが、ネットでは「丁寧でつけるから問題ない」という人もいるようです。
大きな間違いです。

「拝」は丁寧語ではあるものの、
どちらかというと、目上の文筆家や編集者が、目下の人につける印象があります。


ちなみに、ですが、医学部の中では、全員が先生なので、他の先生に対する敬称は
「先生」はつけず、「御侍史/御待史」「御机下(おんきか)」が使われます。

このような業界ごとの独特な文化があるわけです。


「拝」も、文筆業の方々がもともとお使いになられてたのか、
それが広まったようです。
記者や文筆家が使う分には、違和感はありません。


しかし、女性が使うのはいかがなものでしょうか?

そもそも、手紙で女性が使う文末の丁寧な表現は、「かしこ」でした。
もう死語かもしれません。
さすがにメールで「かしこ」を見たことがありません。

ですので、女性が丁寧なつもりで使うのであれば、普通に署名が無難です。
メッセンジャーやLine、チャットであれば、それなりに親しい間柄でしょうから、
署名はなしでも大丈夫です。
わざわざ署名を入れるのは、何かの勧誘のようで、不愉快です。


男性であっても、「拝」は何かしら、上から目線を感じます。
これは、古い人間の私が感じるだけですが、もしかしたら、
同じ年代以上の方は、感じてる人もおられるかもしれません。

そんな危険を冒してまで、わざわざ使う必要があるでしょうか?

もう一度言います。

丁寧な印象を与えたいのであれば、「拝」は危険です。
普通に、氏名をつければいいだけです。
そのあとに、社名や住所もつけておけば、滅多な印象は与えません。

それよりは、文面できちんとした敬語を使えば良いのです。

そして何より、何を聞いているのかよくわからないような、
長い意味不明な文章を送らないこと。
簡潔で、何をして欲しいのか、きちんと正確にわかる文章を書くこと。

SNSの時代であっても、行間には人間性が出ます。

いつぞや、パートスタッフが「〜につき何卒よろしく。」と書いていて、
飛び上がって驚いて、訂正させたことがあります。
そういう人に限って、外部へのメールにCC入れないので、
チェックできなくて本当に恐ろしいです。
聞いたところ、本人は丁寧だと思ってたとのこと。

「拝」に関しても、男性でそれなりの地位の方が使うには、
全く問題はないと思います。

でも、受け取る側がどんな風に取るかはわかりません。
そういう語句は、使わないに越したことはないです。

(クレーマーや粘着質の人に、わざと慇懃無礼な感じで使う場合は、また別です)

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