見出し画像

”無情の愛X"---Xが作る複雑な愛の形

桜井さんが男性の、高見沢さんが女性の心と言葉を歌う(*歌詞カードにも桜井さんパートにはmaleのm、高見沢さんには female のfがあります)、という今までになかった構成の歌詞が印象的なこの曲はThe ALFEEの2015年に発売されたアルバム、“三位一体”に収録されています。不倫関係にある男女の終わりを描いた切ない愛の歌ですが何の思いやりもない愛なのかと思わせるタイトルとは裏腹に、歌詞からは苦しみながらも愛する人を去る互いの感情がひしひしと伝わります。

歌詞はこちらから

イントロのギターの音だけで感動する名曲なのですが、毎回思うんですよ・・・・Xって何? 何で高見沢さんはタイトルにXをつけたんだろう?
無情の愛、だけでタイトルは十分成立しているのに X がつけられているということは何か意味が込められている、と考えていたのですが作詞者の高見沢さんは公表されていません。どんな意味があるのかな、とXをちょっと掘り下げてみました。

秘密の存在・未知の物事、のX
X-fileとかMr.X とか、名前がわからない、公表できない、オープンに語れない、知られていない、そんな物や人物を表現するときにXを使います。
数学の世界でもわからない未知の数字をXに置き換えていますね。
この解釈だと2人の愛は公表できるものではなく、秘密として心に埋めておかなければならないもの、2人以外に知り得るものはない、そんな “無情の愛” です。高見沢さんはこの人知れず燃え尽きた愛、をXで表現したかったのか・・・。

愛情を表す、Kiss という意味のX 
手紙やメールの最後に xxoo や xoxo、もっと簡単にxだけがつけられることもありますが、xはキス、oはハグの代わりとして使われます。
そう考えると、彼女が(もしくは彼が)最後に残した愛の印だったのか、未練のキスなのか。手紙や文章の最後を締めるサインのような役割で使うので これで終わり のキスなのか、悩ましいところですが無情にも終わる関係の最後にちょっとだけの愛の証を残しておきたかったのか・・・。

単語としてのX(読みはクロスかエックス)
クロス と読むXはエラーや完了・終わりを意味する熟語の中に出てきます。X out (cross out) や X off (cross off)という名前の上に線を引いて消す、と使います。日本では  X(バツ) です、テストの間違った答えにつくXと同じです。
やや強引ですがXをエックスと読むなら別れたパートナーを意味するexにもなります。Ex-boyfriendやex-wife のように以前関係があった人を指してexの接頭辞をつけますが、これだともう過ぎ去ってしまいかつての愛情はない、という印象にもなります。どちらにしろ もう終わり と決別の宣言をしているかのようにそこにある X。

*形としてみるX:記事をアップした後に付け足しました。Xを形として捉えたら、下方の離れた位置から進んできた2人が真ん中で出会い、また違う方向に別れて進んでいく、とも取れますね。うーーーん、Xは色々と奥深い。

Xの意味を調べてみて思うのは、高見沢さんはアルファベットのうち、いろんな解釈ができるXという文字を使いこの2人の愛・関係がとても複雑だったことを表現したかったのかな、ということです。1つの意味ではない、1つの形ではない、様々な背景を映し出す一文字。Xがついているだけでちょっと普通じゃない感が感じ取れませんか? ただの無情でもただの愛でもない、無情の愛 X  ・・・タイトルだけで理解しがたい恋愛だという印象を受けます。

付け足すだけでタイトルをより興味深いものにして、深く掘り下げると様々な意味と解釈が出てくる一文字はX以外にはないでしょう。CでもRでもMでもない、X。YでもZでもないX。

高見沢さんがどんな意図でXをつけたのかはシマリスにはわかりかねますが、このちょっと意味深な X が“無情の愛”をよりアルフィーらしいものにした一文字だと思っています。

シマフィー 

*アルフィーさんは公式のYoutubeがありませんのでファンの方がアップした映像です。めちゃめちゃかっこいいツインボーカルを堪能した後、ぜひ公式のCDやサブスクで何度も”無情の愛x”を聴いてくださいね!

三位一体、名曲揃いですよ!

ほぼ毎週、週に1回は聴いているw聴けば聴くほどハマる!Spotifyをお持ちの方↓

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?