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チキンサンドにやられた

私はお腹が緩くなることがほとんどない。なので、賞味期限が何年も(笑)切れているものでも開けて匂いを嗅いで、大丈夫かな〜と思えば食べてしまう。夫はすぐお腹が緩くなるタイプで、スパイスがたくさん入ったものは食べないし、なんならインド料理の話題が出ただけでお腹ゴロゴロになるほど香辛料が利いたものが苦手なので、ちょっと期限が切れたものでも躊躇する。(*アメリカ東に在住です)

滅多なことでは腹痛にならず、何かに当たったりしたこともない私は、旅行先でもわりと平気で道端でものを食べていた。メキシコでも、インドネシアでも、ヨーロッパでも、屋台ご飯を食べていた。

食いしん坊なだけあって腹は丈夫!そんな自信があった。

中国に引っ越したばかりの時に、先輩Expats(外国人)の皆さんに ”向こう三週間はどう気をつけていても下痢になるので薬を常に携帯しておけ” とアドバイスを受けた。

現地人の友人や同僚も、屋台で食べるものはガンガンに火の通った串焼きなどばかりで、レストランの席に着くと必ずテーブルにあるお茶を使って箸やら皿やらを洗っていた。そうしないとお腹を壊すから、と言ってた。

そこまで言われるとやはり気をつけねば、と心が引き締まり、生水や氷やカットフルーツなどは気をつけていたが、屋台のお焼きや餃子やおかゆなんかは”火が通っているからいいや” と割と日常的に食べていた。

あまり綺麗ではない小さな食堂でも食べていたが、腹は痛くならない!鋼の腹!

来て三週間腹痛・下痢どころか、お腹がキュルっとなることすらなく、じきに中国を去ろうとしていたある日の午後。

学校から家に帰るまでの短い通りに出ていた三明治(サンミンジー=サンドイッチ)の店でチキンカツサンドを5元で購入した。70円くらいだが、大きくてみずみずしいレタスがたっぷり入っている。

生のレタスが入っているな、とは思ったのだが、何しろ5年間も腹痛などなかった自分なので、躊躇せず美味しくいただき、完食した。しかし、その日の夕方にキリキリとお腹が痛くなってきた。

特大サイズだったので食べ過ぎだな、と思い夜ごはんは抜いてたくさんお水を飲んで凌いだのだが、翌日にももっと痛くなっている。ただ動けないほどではなく、ムカムカするような気分もあったため、カツサンドの油が古かったのかなぁ と思っていた。

そして三日目に、”これはいかん” という腹痛と下痢で私は病院に向かった。

色んな検査をした後に、その医者は ”えーっと、dysentery ですね” と言った。

すぐに点滴を打たれ、”これから毎日朝と夕方に点滴治療に来い” と言われた。薬で腸の細菌を全滅させるので、その薬を飲んでる間は腸内の善玉細菌を増やす薬もじゃんじゃん飲め、と袋にいっぱいの薬も薬局で買った。

細菌かぁ・・・あのチキンカツに入っていたレタスにくっついてたんだろうなぁ でもちゃんと薬を飲めば治るならいいや

そんな風に思いながら帰宅して、”そういえばdysenteryとはなんぞや?” とネットで調べてみた。

dysentery =赤痢

え???まじで?赤痢ってまだあるん?死ぬんじゃないの?治るん?

日本語の病名を見た瞬間に これはヤバい と焦ってきた。

5年間、一度も腹痛なんてなかったのに、あと何ヶ月かで帰国という今、まさかの赤痢!!!

結局は投薬と点滴を二週間ほど続けて”治ったね” と医者には言われたのだが、それと同時にこんなことも言われた。

”もう大丈夫だと思うけど、菌が1つでも残ってたらまた増えてきて、6ヶ月後に同じような症状が出るからね。そしたらまた病院行きなね。”

毎日ヨーグルトを食べ、善玉菌を増やすサプリを飲み、気をつけて過ごしもうお腹が痛かったことなど忘れかけていたある日、あの時の様な腹痛と下痢に襲われた。

中国の医者に言われた事を思い出し、まさかな・・・・と思いながら過去のスケジュールを確認すると、その日はまさにちょうど1日も狂わず、最後に医者に会ってから6ヶ月後だった。

恐ろしや、チキンカツサンド。みなさんも気をつけてね(そうじゃない)。

シマフィー 

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