見出し画像

アルフィーの軌跡から学ぶ、みんなに教えたい豊かな人生のヒント

The ALFEEの高見沢さんが単独で20年以上続けている(すごいな)ラジオ番組”ロックばん”のRoots of Takamiyはご自身とアルフィーの軌跡を振り返るというコーナー。
へーそうだったんだー!と何となく聞いていることが多いけれど高見沢さんの言葉には色んな学びが詰まっている(贔屓目とかではなくw)。

今回のRoots of Takamiyでは、ご本人は意図していないだろうけれど(そういうことが高見沢さんには多々ある)、年齢・性別・国籍など関係なく、人類全ての人生を豊かに楽しくするためのヒントになることを語っていた(2024年5月12日放送)。

今日から1週間は聞き逃しがあるので、Radikoをお持ちのみなさんはぜひ聴いて欲しい。人生上手く行ってる人もそうでない人も、ようわからん人も悟った人も、70歳で50周年バンドのリーダーが楽しそうにめっちゃ考えさせられる話をしているのを聞いて欲しい。

何年か前にアルフィーキッチンの考察をした時に、教師としての視点から考察記事を書いたが、今回のロックばんも同じように学びが満載なので教師の視点から考察する(*アメリカの私立高校で教師をしています)。


生徒たちに(みんなに)知って欲しい、人生を豊かにするポイント1から5まで、どうぞ!


ポイント1:自分の声は高い!コーラス面白い!

単独行動ばかりしていてはわからない、チームの一員になってから初めて気づく自分の個性と強みがある。
私個人はグループプロジェクトは好きではないけれど、それでも誰かと一緒に何かを築く行程から学ぶことが山ほどあるので生徒たちには積極的にチームワークを課している。失敗したりイライラしたり比べられたり惨めになったりしながらの成長も学びだ。

高見沢さんは大学に進学してから、坂崎さん桜井さんと再会し、彼らのグループ・Confidenceに加わる。ConfidenceはCSN&Yやサイモン&ガーファンクルをコピーしていた学生グループだったが、ロック一辺倒だった高見沢さんが加入して気づいたのは”自分の声は高い”と”コーラスが面白い”だったそうだ。
これは坂崎さんと桜井さんがいなければわからなかった。このグループワークが3人の人生を同じゴールに導いたのは感慨深い。

仲間がいなくても一人で何でも出来てしまう、そして人との関係が密になりにくい環境にいる人も多い現代、他人と同じ・他人に勝つに重点を置かずに自分が長けていることは何か、どんな役割が向いているのか、を仲間と一緒に何かを創造する中で肌で感じることは素晴らしい経験であり、後々の自分を形作ってくれる。
そして形は常に変わるので、大人になってもグループワークをする機会があれば積極的にしたほうが良い。

ポイント2:失敗は自分の力不足、後で思えばね!

私の生徒たちは Unfair・不公平 という言葉をよく使う。
遅れた宿題を受け付けないのはアンフェアだ、自分だけ居残るのはアンフェアだ、他にも制服を着ていない生徒がいるのに自分だけ罰を受けるのはアンフェアだ。
アンフェアだと感じた時は怒っているけれど、後で思えば納得できたり反省したりすることもある。この”後で改めて考えたら”というのはとても重要だ。
不公平なのは社会の・人生のデフォルトだ。みんな同じではないのだから、隣の芝生が青かったり存在しない壁が見えたりもする。
それでも自分がどう状況を改善できるかに焦点を当て、行動に移した方が良い。
そして行動に移した子はアンフェアだ!と怒る機会も減ってゆく。

アルフィーはデビュー当時プロの作曲・作詞家先生たちの楽曲を歌っていた。が、3枚目のシングル”府中捕物控”が前日に発売中止となり、3人は呆然としたという。レコード会社に怒りがむいたこともあったが、後に高見沢さんが強く思ったのは発売中止は自分達にオリジナル楽曲がなく発言権も責任もなかったからだった。それをきっかけに高見沢さんは残りの45年間、アルフィーの楽曲を作詞作曲し続け、自作の楽曲提供も精力的に続けている。
改善に焦点を当てた高見沢さんたちは今もとっても幸せだ。

失敗の原因やつまづきの箇所を把握して、その改善や改変に努力を惜しまない姿勢こそがバンド50年の歴史を作ったのと同様に、私たちも毎日の生活の中改善するべきことを考えながら生きるのは大切だ。

ポイント3:アルフィーに合わせて自分が変わる

今年の春、生徒たちを連れて日本に修学旅行をした時に、私は彼らにひとつのことを念頭に行動するよう始終うるさく言っていた。

”みんなが一番、自分は二番”

何かを決める時にみんなを優先する、そうしたら自分は誰かの一番になる機会がある、駅や店でも他のお客さんを優先して自分は二番であるように。
生徒たちは時間がかかった子もいたがみなその言葉に沿って行動した。
周りを見渡し、観察し、他人の心を慮り、自分の行動を反省し、誰かの優しさを十分に感じる、その繰り返しで旅行の間にずいぶん成長した。

高見沢さんは常にアルフィーはどんな曲を歌えばいいのか、どんな曲が合うのか、を探しながら創作活動を続けたと言った。
自分の趣味嗜好に偏らず、坂崎さんからフォークを勉強し、桜井さんの声質を分析しながらメタルも歌わせ、時代の風を敏感に読み取り、その結果この50年間で本当に幅広く ”ええ?これもアルフィー?(by坂崎さん)”な楽曲の数々が生まれている。
50人の作家が作ったような楽曲を高見沢さんは一人で作り、ジャンルやタイプが違いながらもまたそのどれもが高見沢さん!な要素を十分に含んでいる。
桜井さんも20歳の頃は自分がジューダスプリーストな楽曲を歌いメタルな格好でステージに立つとは思ってなかったと思うし(その前に角刈りにもしなかっただろうし)、坂崎さんもハンドマイクで観衆のハートを撃ち抜きながら歌うとは想像しなかっただろう。
彼らもその時代のアルフィーに合わせ自分を変えたのだと思う。売れようとかではなく、俺の好きなバンドをたくさんの人に知って欲しい!という気持ちだったのかもな、と想像する。
3人がそれぞれアルフィーに合わせて、アルフィーを作り、アルフィーになっている、その過程を今楽しく振り返っているのを聴いているとなんだかじーんと来る。

自分中心で周りを見ない人間には出来ないものだと思う。
唯一無二とはそんな風に出来上がるのだろう、と感じた。

ポイント4: 0より0.1、 褒められて伸びる

以前も書いたが、私たちは”何かを始められるかも”というチャンスを見過ごしたり見送ったりしながら生きている。
年齢や懐具合や、過去の失敗や誰かの横槍なんかで、興味が出てもやっぱりやらないということは多いと思う。
思い立ったら吉日、とすぐに行動できることは思い立たなくても出来たであろう事柄で(それでもやらないよりは良い)、本当は決定するまでにいろんな算段をつけ人生のあれやこれやと折り合いをつけながら始めるような事柄はなかなか行動に移せない。

作曲経験がなく、どう曲を作れば良いのか試行錯誤を続けた高見沢さんは、経験が0と、やってみてダメだったことは同じではない、やってみたのだから0.1だけれども0よりは進歩してる!と強く言った。
思ったら始めよう、0.1でいいのだから!そんなふうに何かを始められたら素晴らしい。やり続ければ経験値は上がり、コツもつかめて、勉強・上達の目処も立つだろう。

高見沢さんは初めて書いた自作の曲を筒美京平先生に”センスがいいね!”と褒められたことを胸に作曲を続けたそうだ。
その結果大成功を収めているが、万が一そうでなかったとしても高見沢さんなら続け進歩したことに満足感を覚えるのではないだろうか。

ちなみに筒美京平さんが曲を褒めたのは、高見沢さんが本格的に作曲を始める5年前の話だ。そんなに長い時間を経ても褒められた喜びを忘れず、褒めてくれた筒美先生を信じて曲をたくさん書いてきた高見沢さん。
そして桜井さんも坂崎さんも、何かにつけて高見沢さんをよく褒める!
そんな事実を心に留め、私もいつか遠い未来に誰かが私の言葉を信じて頑張ってくれるかもしれないのだ、と思いながら誰かを褒めようと思う。

ポイント5:年齢に合わせた楽曲・ライブはまだ早い

音楽は年齢ではない!と常々言っている高見沢さん、70歳。
その精力的なステージと仕事ぶり(小説、エッセイ、ラジオにテレビ、アイドル業にコント作家、大変や)を目の当たりにしている私たちはそうだとわかっているけれど、キランキランでツヤンツヤンな高見沢さん70歳を世の70歳はどう思っているのだろう。

50過ぎたら、70歳は、高齢者だから、まだ未成年だし、子供の言うこと・・・色々な場面で私たちは年齢を理由に、それに見合うように、年齢を裏切らないように行動している。
高見沢さんははっきりと年齢に合わせた楽曲・ライブは まだ 早い、と言った。何歳ならいいのだろう、300歳?笑
きっと高見沢さんにとっては まだ は永遠に来ない。
”終わりのない中間試験”を受けているように50年間続けてきたアルフィーさんに、”年相応”な気持ちはないのだろうとわかる。

私たちもそうでありたい。年相応に行動するのが美徳なとき、それを破り無視した方がかっこいい時、それを見極めながら前に進む。
生徒たちも15歳と言う枠にとらわれず動いて欲しい時があることをきちんと伝えたい。大人だからやっていい、そんな言い訳を聞いたら理由と理屈を考えて欲しい。
法に触れず、自分と他人を傷つけるリスクがないことならばやってもいいのかもしれない。


高見沢さんの言葉をまとめた今、先日生徒の一人(14歳)が起業するという話を聞いた時に、私は え!大丈夫なの?まだ子供じゃない!と反応してしまったことを反省している。
明日はたくさん彼の話を聞いて、褒めて、アドバイスをあげよう。
高見沢さんの言葉をまるまる彼に伝えてあげたい。きっと彼の人生が変わる!

シマフィー

4000字!お疲れ様でした。え?これもアルフィーさん?な楽曲色々をどうぞ










この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?