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連続100日目のお祝いはポテポテのお母さんのこと

お母さんは優しい。怒られた記憶は全くない。

若々しくて、美人で、ニコニコ可愛くて、参観日はいつも友達に いいなーシマちゃんのおかあさん、綺麗でいいなーーーと羨ましがられるのが嬉しかった。
前は153センチあったけど、今は149センチに縮んだ。ポテポテ体を揺らせて歩く。

自分が幼い頃に憧れだったピアノを何年間のローンで手に入れ小さい私に習わせてくれたが、働きづくめで時間がなかった時代を終え歳を取ってからやっと自分の練習を始めた。

仕事で夜遅かった翌朝はお弁当を作る時間がなくて、ごめんねごめんねと謝りながら、近所の店で買ったお弁当を詰めなおしてもたせてくれた。時間があるときはそこらへんでは買えないタマゴのサンドイッチを作ってくれた。

私の受験を口実に東京観光に二人で出かけ、あちこち食べ歩きをし、シマちゃんは大学生になれていいなーシマちゃんはいいなー とニコニコしながら東京の女子大に送り出してくれた。

私が日本語を話せるアメリカ人と結婚するまでは、お母さんも将来のために英語を習う!と頑張り、夫の日本語がペラペラなのに安心してすぐやめた。

アメリカに3回来たがその度に何かしら事件が起こり、大笑いしながら楽しい時間を目一杯過ごし、大人の私に 欲しいものは何でも買ってあげるよ とニコニコでモールに出かけた。大自然に感動し、シマちゃんはいいなーシマちゃんはいいなー と言いながらバイバイと手を振った。後ろからみるお母さんはポテポテと歩いていた。

中国に来たときには私が事前に“誰も信用してはいけないよ”とキツく言ったのに、友人が仕掛けた“空港タクシー乗れ乗れ詐欺”にまんまと引っかかりひょいひょいとついて行き、私に怒られた。

去年の夏には9年ぶりにアメリカに遊びに来る予定をたて、航空券も買ったのに、こんな情勢だったので来れなかった。どこにも行かなくていい、我が家でシマリスと野鳥と遊んで、バーベキューで肉を焼き、庭を眺めてゆっくりすれば幸せと言っていたのに、先送りになった。

私のようにメンドくさいことや我慢できないことは放り投げたりしないお母さん。
正しく生きること、優しい心を持つこと、何にでも誰にでもいたわりの情を示すこと、そんなことを二人で話したことはないけれど、そんなことはお母さんから学んだ。

そんなお母さんに聞いてみたことがある。

お母さん、シマがもし誰かを殺して指名手配になったらどうする?

いつもの100万円拾ったらとか王子様と結婚したらとか、そんな馬鹿馬鹿しいもしも遊びの延長だった。

お母さんは一瞬も考えずに言った。

家にあるお金を全部持って、シマちゃんと一緒に遠くまで逃げる、絶対に捕まらない

我慢をたくさんして、人に遠慮をして、正しいことをしてきたお母さんの答えにびっくりした。でも、私のお母さんの答えはそれ以外ないと思える答えだった。
お母さんの顔は真剣だった。

うちのお母さん、小さくてニコニコでポテポテやけど、やる時はやる!

今年の夏はアメリカでシマリスと野鳥と遊べますように。
2週間と言わずもっともっと長く一緒に遊べますように。
早く会いたいな、お母さん。

自分も最近ちょっとポテポテと歩いている。

シマフィー

*今日で連続100日投稿でした。始める前は一つの目標でしたが、ここまであっという間でした。いつも寄ってくださる皆様ありがとうございます。そして偶然通りかかった方も足を止めていただいてありがとうございました。

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