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I Recall, Therefore, I Am

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山あり谷ありの海外生活。今思えば毎日が自分を作る・伸ばすチャンスの場でした。チャンスをつかんだこともあれば、逃したこともある。そして今振り返ってやっと”あれがチャンスだったんだ”… もっと読む
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#恋

バレンタインデーとキラキライケメン

2月14日を真剣に“やってやろう”と思ったのは高1の時、一度だけだった。それ以降は勝負をかけていない。 一応言っておくとまだ昭和の時代である。 同じクラスになった彼はなんと小学校4年時のクラスメイトで、私が引越しで転校するまでの1年間毎日顔を合わせていた。それ以来の再会となったのだが、私は顔を見て名札を見ても一瞬彼がわからなかった。 小学校の時はごく普通のぽっちゃりさんで勉強でも運動でも目立たず、特に何とも記憶に残らない男子だったその彼が、キラキラと輝く背が高いロン毛のイケ

顔で選ばれなかった恋

私は綺麗な顔をした男性が好きだ。綺麗と言うのは人それぞれだと思うので、自分のラインでの綺麗をここに宣言すると・・・ 輪郭や鼻の線がはっきり直線でカクカクしている鋭角的なひと 清潔で長くてサラサラ・ふわふわ・もしくはくるくるの髪の毛が顔にふんわりかかるひと まつ毛が長くてバッサバサのひと やや顔色が悪く寂しそうな、物憂げな表情も様になるひと 口元がキリッと引き締まってて、笑うと歯並びが綺麗なひと どの人種の男性でもこんなタイプに惹かれる。これは多分過去の刷り込みによ

忘れられない告白

中国の大学で教えていた時、ほぼ毎週男子生徒からラブレターを貰っていた。 色んな方法でラブレターはやって来る。 宿題に貼り付けて テストの裏の余白に 郵便で 手渡しで 友達を経由して そして自宅のドアに貼り付けられて 私は大学敷地内の教職員用の寮に住んでおり、通りを挟んだ寮に住む生徒等はなぜか教師の部屋番号や電話番号を知っていた。 生徒たちは教員用の建物に入ることは許されておらず、門番もいたのに一体どうやって忍び込んでいるのか不思議だったが何週間に1度か2度は部屋のドアに

フロントガラスに残されたメモ

授業を終えて車に戻ると、必ず小さなメモがフロントガラスに挟んであるようになった。 コロラド州の大学院で学生をしつつ、学部生を教えていた時のことだ。 自分の専用スペースはないので毎日空いているところに停めるのだが、大学の駐車場はとてつもなく大きく、昼に車を停めた自分でさえ時々見つけるのが困難だった。空港などでAの15区、などと覚えていないと永遠に車が見つからないのと同じような感じである。 ある日の帰宅時、そんなだだっ広い所に停められた私の車のフロントガラスに小さなメモが挟ま

ずっと遠くに好きだった人

ずっと昔に大好きだった人を想い、もしその人にもっと優しくできて、もっと広い心で接してあげて、もっと信じてあげたら、どうなっていたのかなと想うことがある。 若い頃は譲ることを知らず、また責めることは簡単にできたので、大切だったあの人たちとの関係が終わったとしても こんなもんか と吹っ切れるのも早かった。 素敵な人はまた現れるし、また恋に落ちるし、また喧嘩になるし。 そしてまた終わる。 過去に大切だった彼らとの写真は手元にはないと思っていたけど、今日整理していたハードドライブ