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『トリプルX:再起動』 ★★★★☆

『ルパン三世 カリオストロの城』の山道でのカーチェイスを、スケボーで生身の人間が再現するオープニングから、目にしたものが、思考を解さず、ダイレクトに脳を駆け抜ける、ノンストップのアクション映画。

Xスポーツから、カンフー、カースタント、ガンアクション、とにかく見世物としての映画の魅力が、これでもかと詰まった2時間を、すっかり堪能しました。



凄腕のスパイチーム”トリプルX”。

リーダー的な役割を演じるヴァン・ディーゼルは、複雑な民族的背景を持つ自身のアイデンティティを、「person of color(非白人種/有色人種)」だとしています。

その他のトリプルXのメンバーとして、今作では準主役に香港のドニ―・イェン。脇にはタイのトニー・ジャー(『マッハ!!!!!!!!』)も。

(トニー・ジャーは、折角なら、もっと見せ場があって良かった。勿体ない起用法だと思います。)

クリス・ウーは中国と韓国のメンバーからなるアイドルユニット、「EXO」のメンバーですね。

また、レズビアンのクールな凄腕スナイパーを演じたルビー・ローズは、プライベートでも同性愛者であることを公表しています。

ヒロインはボリウッド(北インド映画界)のスター、ディーピカー・パードゥコーン。

ディーピカー・パードゥコーンとルビー・ローズによる華麗なガンファイトは、今作最大の見どころの一つです。


云わば、”トリプルX”は、アメリカ社会におけるマイノリティ(少数派)、はみ出し者達の集まりです。

多様なエスニシティ、セクシャリティによって構成された秘密組織が、時に国家までをも相手に、縦横無尽の大立ち回りを繰り広げ、最後に世界を救う。

そんな物語に、現在のハリウッドの視座(マーケティング戦略)と、それを可能にするアメリカという社会の、潜在的な強さを感じます。

#アメリカ #トリプルX #映画レビュー #映画批評  

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