Shimada Koki

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  • 透明板のゆうれい

    コンビニのコピー機を通して個人的に発信している『透明板のゆうれい』の アーカイブマガジンです。 --------------------------- 『透明板のゆうれい』 人や物との間にあった境界が可視化された世界。 新しい空間や所作の実践が行われる一方、実在の薄れや出来事の不可体験感が募る。 1枚隔てた「むこう側」と「こちら側」は同じ世界で繋がっているのだろうか。 コンビニのコピー機の透明なガラス面から、こちら側の近況をお知らせします。 ---------------------------

最近の記事

透明板のゆうれい 03

02に続き、今回も1枚の写真がきっかけになった。 日常の景色の02に対して、今回はパリへ旅行したときの写真。  2014年、初めて訪れたパリ。オペラ・ガルニエ宮のバルコニーから見た広場の光景。  大階段、大休憩室を歩き、初めて見るネオ・バロック様式の豪華荘厳に興奮しつつも少し疲れてバルコニーへ出ると、外にはバイオリンの音が響いていた。広場を眺めるとバイオリンを弾く青年の姿。行き交うなかの数人が彼の演奏に立ち止まり、目の前の弧を描いた階段では、座り込む人々が音に耳を傾けながら

    • 透明板のゆうれい 02

      今回は1枚の写真が元になった。  これは近所の公園を何気なく撮影した写真。撮影した記憶がはっきりしないのだけれど、旅先で撮っていたフィルムの後半が余ったので、帰国後に身近な風景で消化したのだと思う。  日常や海外の風景を撮ったプリントが、いつ頃からか整理もされずに箱の中にどっさりと重なっている。アルバムにしようと思って撮っているわけでもないのでただただ溜まっていくが、順番もぐちゃぐちゃになった写真。写っている場所や時間に関係なく図像の積み重なりとなった束は、発表されるでも

      • 透明板のゆうれい 01

        『透明板のゆうれい』は、コンビニのコピー機のネットプリントを利用した表現の発信方法の実験(遊び)として始めました。 個人的に想像したドローイングとテキストを1枚のA4の紙に貼り、 それをコンビニのコピー機からスキャン&アップロードし、 受け取り手によってプリントアウトしてもらう仕組みです。 送り手と受け手は、互いの気配をコピー機のガラス面を通して 触れ合う(触れ合えない)ことになり、 それは幽霊のような透明な存在が浮き上がってくる体験かもしれない、 と考えました。 この

      透明板のゆうれい 03

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