嶌田井書店

嶌田井書店はジャンルの枠にとらわれず、様々な表現を試みる文芸サークルです。風の通る或る…

嶌田井書店

嶌田井書店はジャンルの枠にとらわれず、様々な表現を試みる文芸サークルです。風の通る或る町に、稀にしか辿り着けない書店がある。そんな空間を目指しています。主に文学フリマ東京に出没します。【メンバー】河嶌レイ、篠田くらげ、蒼井灯

マガジン

最近の記事

アーカイヴ(時事詠5首企画 Apr.2020)

※ 本記事の短歌部分をPDFにて公開しております。よろしければご覧ください。 ・画面閲覧用はこちら(順ページ) ・印刷用はこちら(推奨設定…A4、2頁1枚、左から右、両面) はじめに わたし達は常に「いま」の真っ只中にいる。そしてわたし達はいま、コロナ禍にいる。 わたしが文芸サークル「嶌田井書店」のメンバー(篠田くらげ・蒼井灯)に今回の企画を挙げたのは、3月21日のことだった。無期限活動休止のお願いと、活動最後のネプリ企画を持ちかけたのだ(サークルは、2018年秋に境界

    • COVID-19 ニュースタイムライン 参考Webサイト一覧

      本記事はこちら(当記事へのリンク元)https://note.com/shimadaishoten/n/nb2f27be0b604 参考リンク一覧 https://www.forth.go.jp/topics/20200106.html https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000589747.pdf https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08906.html https://www.mhlw.go.

      • アウェイ アンド アウェイ―境界線のあわいに(海外生活編)

         南回りは遠いが安い。そう聞いていたので、フライトはクアラルンプールとドバイ経由でも構わなかった。フルーツの香りがするクアラルンプールの空港で、パイナップルジュースを飲んだ。言葉もわからなかったが、喉が乾いていたのでジュースは飲みたかった。ドバイの空港では、銃を持つ兵士があちこちにいた。息が浅くなった。空港では家電も売っているらしかった。でもそこで家電を買う理由はなかった。ロンドンでは下宿をするのだ。きっと映画で観たようなキッチンのあるお宅だろう。そこでならきっとわたしは息が

        • 2018年のLGBT― 現実と創作、そして『しまなみ誰そ彼』

          ※本稿は漫画『しまなみ誰そ彼』のネタバレには極力配慮しておりますが、台詞などへの言及を含みます。また逆に物語に大きく踏み込んだ紹介ではない旨ご了承ください。 「お前ホモ動画観てたん?」 「お前、そうなん?」 「うわーやばいやばい。」 「そういうの俺、絶対無理。」 * * *  古い木の梁。ゆっくりと回るシーリングファン。不揃いな、でもどれもやわらかそうなソファ。蓄音機から控えめな音量で流れる音楽。使えるのかわからない天体望遠鏡。金魚の水槽。ぎっしりつまった本棚。手書きの

        アーカイヴ(時事詠5首企画 Apr.2020)

        マガジン

        • アーカイヴ
          2本
        • 境界線とその周辺
          6本

        記事

          個人と系譜〜ニューウェーブ短歌30年に際して〜

           ここに「近現代歌人系譜」がある(青木五郎ほか監修『クリアカラー国語便覧第四版』数研出版)。正岡子規から始まって、伊藤左千夫、土屋文明、近藤芳美、岡井隆などが家系図風に書かれている。これは系譜を示すのであろう。前衛短歌は少し離れて置かれ、塚本邦雄、岡井隆、春日井建、寺山修司の名が挙がっている。  短歌には「師」というものがあるらしい、と知ったのはそう昔のことではない。歌人や新人賞の上位入賞者たちのプロフィールに「〇〇に師事」と書いてあるのを見かけて気づいたのだ。そして私自身も

          個人と系譜〜ニューウェーブ短歌30年に際して〜

          嶌田井ジャーナル序文

          ある時、息が詰まりそうになりました。 その場所は、わたしが心地よいとは思えない場所でした。 心地よかったこともあったのですが。 どこか遠くへ行ってみたいと思いました。 そこへ行きさえすれば、息ができると思ったのです。 でも今までいた場所から離れたら、わたしの居場所は もうなくなってしまうかもしれないとも思いました。 離れようと一歩足を踏み出しました。 会社も辞めたし、飛行機にも乗りました。 「なにか」から自由になるためです。 そして「どこか」へ行き着きました。 他の

          嶌田井ジャーナル序文

          『嶌田井ジャーナル0号』本文をnoteに掲載します

          ※2020年5月9日、一部改訂しました こんにちは。嶌田井書店です。 先週は第27回文学フリマ東京、商品を購入してくださった皆様、ご挨拶くださった皆様、また関係各サークルの皆様、本当にありがとうございました。このような場でしか出会えない方が多く、改めて直にお会いできる場の大切さを感じました。 さて、その文学フリマにて頒布開始した「嶌田井ジャーナル0号」ですが、手にはとれなかったものの内容が気になるとの声をいただき、記事ひとつずつをnoteにて有料(一部無料)公開することに

          『嶌田井ジャーナル0号』本文をnoteに掲載します

          第二十七回文学フリマ東京に出店します!

          文芸サークル「嶌田井書店」は、今年の秋も文学フリマ東京に出店いたします。ブース番号はI-05/06(Eホール1階)。書店メンバー(河嶌レイ、篠田くらげ、蒼井灯)による新刊・既刊をお楽しみに。それでは11月25日(日)にお会いしましょう。

          第二十七回文学フリマ東京に出店します!

          境界線を意識したことがありますか?/どこかにある会議室から:1

          河嶌レイ、篠田くらげ、蒼井灯。この三人からなるサークル「嶌田井書店」では、凡そ年に一度、秋の文学フリマ東京に店を構えます。 今年は何をやりましょうかと企画を練っていたところ、店主の河嶌から挙がったのが「境界線」をテーマとした冊子。 「境界線」?どういう冊子にしよう?冊子の前振りとして、打ち合わせがてら、メンバー同士の座談会をWEBに載せてみようか?そんな話が出て、ある夏の盛り、三人はこの世のどこかにある嶌田井書店の一室に集まったのでした。口々に「暑いですね」とぼやきながら

          境界線を意識したことがありますか?/どこかにある会議室から:1

          境界線前日譚

          篠田「境界線、ですか?」 河嶌レイさん「境界線」 どこにあるやら嶌田井書店会議室。そこで「境界線」という言葉をレイさんから聞いたのはそんなに前のことではなかったと記憶する。 何だろう。境界線、境界線…。わたしとあなたは違うみたいなことなのか。 さらに話を聞いてみると、キーワードが色々出てくる。性別。民族。言語。習慣。コミュニケーション。地域性。広い意味で「違い」みたいなことなのだろうか。手探りしながらテーマを見極めていく。雑談とも打ち合わせともつかない話は長時間にわたっ

          境界線前日譚

          【ご挨拶】

          こんにちは、文芸サークル「嶌田井書店」(の店主、河嶌レイ)です。 嶌田井書店として、そして各メンバーそれぞれが気になることをタイムリーにお伝えするため、この度noteを始めることに致しました。 嶌田井書店をご存じない方のために簡単にご説明しますと、サークル・メンバーは、河嶌レイ、篠田くらげ、蒼井灯の3人。それぞれ短歌や書評、小説、エッセイなどの文芸活動だけでなく、写真、朗読、ショートムービー、音楽と幅広く活動しています。 嶌田井書店としての主な活躍の場は、文学作品展示即