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第一章 誰も気がつかなかったこと_004

あごと食べるということ

 人間の祖先は哺乳類という恒温動物に始まり、
移動手段は四足歩行でした。
あごで直接捕食して、咀嚼する動物だったのです。
ペットの犬や猫と同じように、四足歩行によって食べていました。

しかしながら私たち人間は、
かつてあごで直接捕食していたことさえ忘れてしまったかのような、
動物となっています。
それはなぜか?と申せば、
ある時期から直立二足歩行するようになり、
移動手段から手(前足)を切り離し、そ
の手を使って道具を作り、やがて火を使い、
料理することによって食べるようになったからです。

そしてとうとう、あごは単なる咀嚼するだけの場所と思われているのです。(本当はたくさんの機能をマネージメントしているのです!これは重要なポイントです)

他の動物と同じように狩猟時代、
1日をかけて食べるための生活を繰り返してきた人類は、
今やビジネスランチと称して食事の時間を惜しむかのように、
仕事の片手間に食べています。*1

私たちはあごで食べて生きるという動物の基本行動を、
まるで生活の一部から消し去るかのような暮らしを始めているとは言えないでしょうか?

しかしながらあごで食べるという仕組みは、四足動物が直立二足歩行をするようになってからも、全く同じシステムで動いていることには変わりはありません。

ところが私たちはなぜか?この仕組みを、すっかりと忘れてしまったかのように生きているのです。

*1 D. Kamp. The United States of Arugula: How we became a gourmet nation. Clarkson Potter. (2006)

つづく

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