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第五章 健康は促進するためにある-011

11.人間の叡智とは何か?


街中を歩く年を重ねた人の姿を若者と一緒に見ながら、
このような質問を投げかけました。

あの人は年齢相応に運動能力が低下しているように見えますが、
脳の動きはどのようになっていると思いますか?
」と。

すると若者は、このように述べました。

運動機能と同様に、脳の機能も(比例するように)
衰えつつあるのではないかと思います
」と。

このことを年を重ねた方に伝えると憤慨され、
このように述べました。

私たちを何だと思っているのだ」と。

たしかに人間は他の動物と同様に年を重ねると、
若者のように機敏な運動機能を発揮することができなくなります。
しかし、脳の機能は壊れるまで発達をし続けるのです。

50歳の人に30歳に戻りたいですか?と聞くと、
答えはノーと答えます。

では70歳の人に40歳に戻りたいですか?と尋ねると、
やはりノーです。

では、20歳の人に40歳になりたいですか?と質問すると
間違いなくノーと答えます。

この意識の違いは何を表しているのか?と申せば、
若者は、年を重ねるほどに人間が叡智という知性を
作り出す動物になることを、知らないのです。

これに対し年を重ねた人たちは、
健康であるほどに叡智を磨くことを楽しみと感じて生きているのです。

年を重ねた人間という動物は、
身体的能力を復活させる代わりに、
叡智を消失しても良いというバーター取引に応じたいと、
決して思ってはいないのです。

さてこの積み上げた叡智は何のためにあるのでしょうか?

このことは人生100年社会に対する、
私たちへの課題となっているのかもしれません。

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