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私は”お買い得な人材”でしょうか?


この数年、市役所で働きながら時々考えるのが、

どうしたらお買い得な人材になれるだろうか?

ということ。


“お買い得”というのは、
組織として払ってるコストに対して
自分が納めている成果が大きい(と感じられる)状態。


お買い得感が強い人材は、組織にとって頼りになり、できれば手放したくない人材です。あくまで役所の組織に心があれば、の話ですが、私はそういう人材になりたいのです。

これは決して利他的なきれいごとではなくて、「お買い得感が強い人材」は
①人材として競争力があり、
②組織内でも影響力を発揮できるし、
考えようによっては
③居心地もよくなるんじゃないか、
つまりは「お買い得感が強い人材」になりたいというのは、利己的に考えてとても魅力的だと思うのです。


①人材として競争力があるというのは、同じ職位・世代の中で相対的に高い評価を受けるという意味に留まらず、組織改正やタスクフォース設置に伴う人事異動などで引っ張られやすくなるということ。
もちろん見合った能力や人格を備えているということなので、業界内に留まらず、転職市場などでも評価できる材料が増えることが考えられます。

②組織内での影響力の発揮というのは、小さい単位で言えば係や課の中で、もう少し大きな単位であれば大きな政策を束ねる部や局の中で、その発言や考え方が影響力を持つということ。
影響力は職位が高い方が強く、低いほうが弱いのが自然です。
でも、基礎自治体だとその事業のことを一番よく知っているのは事業の担当者だというのはよくあること。その下っ端が「お買い得感が強い人材」なら、その事業において、その起案者の考えの多くは尊重されているはずです。議論の中で修正されるとしても、その議論の中で「お買い得感が強い人材」はやはり影響力を持つことになるでしょう。(それがイベントでも新制度の設計でも組織づくりでも同じこと)

そして、③居心地がよくなるというのは、①②のような「お買い得感が強い人材」に対して組織の皆さんは優しくなりがち。
優しいというと語弊があるかもしれませんが、管理職や部局長といった幹部は頼りになる職員、その意見を尊重したいと考える職員を理不尽に扱ったりしないものです。(個人的に体育会の上下関係のような状態にあれば、その限りではありませんが)
そういう状態は、組織の中で安心安全な状態でもありますし、仕事もノビノビできそうですよね。


「でも、お買い得感が強い人材ってどうすればなれるの?」

ホント、それな!(笑)


年齢を重ね、職位も上がってくると、当然組織が私に対して払うコストが高くなります。

そのため自分が納める成果が大きくなり続けないと、徐々にお買い得感が小さくなっていきますよね。

若くてコストが小さいのに、大きな価値を生み出せるのが、ある意味最もお買い得感が強い人材と言えるのかもしれません。


そう考えると、私なりに思う「お買い得感が強い人材」に近付く方法

①一つ上の職位の先輩をライバルと考える
②1秒でも若いうちに今日、全力で頑張る

この2つ。

①は背伸びをして今の職位・年次に対する期待を超えるような仕事を当たり前にするために、ライバルは同年代ではなく先輩を設定すること。

②は若く経験が浅いほどお買い得感が強くなるということ。今日より明日、明日より来週と、日に日にお買い得感が強い人材になるのは難しくなります。今日が最もお買い得感が強い人材になりやすいのです。


誠に恐ろしいことですが、最終的に納める成果に対して組織が払うコストの方が高いと評価されたら、組織に雇われているのでは無く、組織に養ってもらってるようなものです。


正直、自分が市民の立場だったら、組織に養われている職員がいる役所なんて許せません。

私も41歳(もう少しで42歳!)になり、主査としていよいよコストを上回る成果を出せてるだろうか、そんな風に不安になる日もあります。

「成果の大小に関わらずお給料がもらえるんだからありがたい」
そんな風に考える人もいるかもしれません。
恥ずかしながら正直に言えば、家族を養う夫・父としての私にもありがたいと思う部分が全く無いわけではありません。

でも、やっぱり成果よりコストが大きくなって、組織に“税金で”養われることになったら、居心地が悪い気がするのです。

そんな風に働いてても、きっと楽しくない。


こんなの定量的に比較・評価ができるものではないので、あくまで思考実験的な話に過ぎませんし、結局は考え方の問題。

ただ、結局考え方の問題ならば、それを逆手にとって「少しでもお買い得な人材になろう」、と思いながら日々の業務と向き合い、職場で少しでも生み出す価値を大きくできるように働くことで養われることによる居心地の悪さから解放されるような気がしています。

気の持ちようと言ってしまったら元も子もありませんが。
気持ちを整えるには、結局自分が納得できるまで一所懸命働くことが一番有効なのかもしれません。


もちろん、私はこう考えるということであって「世の公務員はみんなお買い得な人材になりなさい」ということではありませんよ。
組織の中で自分がどんな人材でありたいと思うか、その姿は人それぞれ多様であっていいと思います。敢えて言うなら、多様でいいけど、自分の中に「ありたい人材像」があるなら、それに向かって日々近づけてるといいな、と思います。


皆さんは、ご自分のことを組織にとってお買い得な人材だと感じて働いていますか?

どうしたらお買い得な人材になれるとお考えでしょうか?

よろしければご意見などお聞かせください。

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