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フィルムカメラ”LOMO APPARAT”を持って18きっぷの旅(その3)


フィルムカメラを持って青春18きっぷの旅、今回は3日目、帰りの行程。
富山から東京へ帰るわけですが、そこで問題が……


富山から直江津まで、かつての北陸本線が新幹線開通の並行区間ということで3セクになってしまい、18きっぷが使えないのです。
しかも、困ったことには県ごとに会社が異なるという事態。
当然、会社ごとに料金体制が異なりますから、その都度運賃を払わなければならず、18きっぷ1回分より割高にならざるを得ません。
そういえば今年の3月、北陸新幹線が金沢から敦賀まで延伸したことにより、JRの並行区間がこれまた3セク(ハピラインふくい)になったことで、北陸本線が3つの3セクにぶつ切りにされたことは記憶に新しいですが、これにより18キッパーにとって北陸貫通は困難になってしまいました。
新幹線が次々開通されるごとに並行する在来線が3セク化してしまい、18きっぷの利便性に暗雲が立ち込めるわけですが、そのためか今年から18きっぷ発売の発表が年ごとでなく時季ごとになり、今回も発売時期が近付くにつれてキッパーの間では「もしや廃止されるのか」と囁かれる事態。
今夏は無事に発売されたわけですが、今度の冬は発売される保証がないですからね。
とはいえ、今でも相変わらず需要が高い最強のフリーきっぷですから、そう簡単に廃止されるとは考えにくいのも事実。
いずれにせよ、今後の動向には注目でしょうね。

富山から「あいの風とやま鉄道」に乗り、泊で「えちごトキメキ鉄道」に乗り換え。
「あいの風とやま」は通常の切符で乗りましたが、「えちごトキメキ」には18キッパーの強い味方があります。


それが「トキ鉄18きっぷ」🎫
青春18きっぷを持ってる場合に限り、トキメキ鉄道全線の区間を1,000円で乗り放題というお得な切符なのです!

青春18きっぷ発売時期に発売されるフリーきっぷなので、時期が近付いたら公式サイトで確認しておいた方がいいですよ。

今夏は発表が遅くなりましたが、無事に発売が決まり、ホッとしましたよ。
これがあるか否かで運賃が変わりますから。
富山方面から乗り通す場合は、市振までの切符を買っておいて、泊で乗り換える際に車掌に申し出すれば購入できます
というのも、2つの会社の境界駅は市振駅ですが、富山方面から新潟方面へ向かう電車のほとんどは二つ前の泊駅止まりだから。
そこから直江津方面の電車に乗り換えるわけですが、市振まではまだ「あいの風とやま」のエリアなので「トキ鉄18きっぷ」の範囲外なのです。
もし泊までの切符を買ってしまった場合は、18きっぷ購入の際に差額分を支払う必要があります。


因みに市振から直江津まで乗り通す場合も通常運賃が1,310円なので、「トキ鉄18きっぷ」を購入しておけば310円お得なので、乗り通すだけでも買う価値がありますよ。
さて、無事に「トキ鉄18きっぷ」を購入し、直江津に向かいますが、その前に途中立ち寄りたい場所があるので、そこに降ります。


市振~直江津間は「日本海ひすいライン」と呼ばれ、途中に長大なトンネルがいくつも続いていて、その間に海がちらっと見えたりします。
車窓からフィルムカメラで撮った一枚が上の写真。
その一方で、特徴的な駅がチラホラあるわけです。
今回立ち寄ったのがその一つである……

筒石駅。
なんと、ホームがトンネルの中にある駅です。
降り立つと一転して静寂、
ホームがトンネルの中の駅の代表格に上越線の土合駅がありますが、さほど有名でないせいか降りる人は少なく、今回降りたのは自分一人だけ(笑)
それにしても涼しい。
朝から酷暑だった外とは打って変わって涼しい。
まさしく自然のクーラー。


ホームを出て外へは長い階段を上ります。


長い階段を上るにつれて現生の熱が戻ってくる感。
そして290段の階段を上って……


ようやく外へ。
とにかく暑い💦
見た感じ、山あいの小さな駅に見えます。


途中にいい感じの露頭。
この辺りは新潟県糸魚川市のエリア、フォッサマグナにあたるんでしょうね。


駅を出て十数分歩くと、筒石の漁港が見えてきます。


道路と並行する自転車道路。
この変わった形の道路、実は北陸本線の旧線だそう。
この辺りはもともと海寄りを走っていたのが、雪崩など災害が多く、脱線事故などもよく起こったそうで、複線化と同時に現在の山よりの路線に替えたといいます。


細い路地に入ると、みっしりと民家が密集しているのを目にします。


下見板張りの木造家屋が多いですね。
海沿いの車窓を見ても、こうした家屋が多くみられるのは、漁村の特徴かもしれませんね。


しかし、ここ筒石で特徴的なのは、3階建てが多いこと。
海と崖の間で波浪が多い地域のせいなのだろう。


3階建てが続く街並みは2階建てとは雰囲気が違いますね。


玄関の脇の外に洗い場というか流しがあるのは、漁師町ならではだろう。


静かな通りで外で人と出会うことがほとんどないが、家の中からは生活の音や声がしているように、今も生きた町。
ここは大勢で押しかけてくるような場所ではない。
一人でひっそりと歩いて風のように去り行くがよい。


あまり人と出会わない代わりにネコが暑さで伸びてるかのように寛いでいた。
おるね(=^・・^=)


意外に複雑な構造しているのがわかる。



海岸に出ると、恐らくはもうあまり使われてないだろう舟屋群。


海にはなぜか電柱が……


小さな漁村の街だが、所々で形式の様相が変わるのが面白い。
小さなトンネル駅・筒石だが、見所は結構多い。


筒石の町のざつな(笑)手描き地図


直江津でJRに乗り換え、ようやく青春18きっぷの出番。
海にこれほどまでに近い駅が日本海にあった。


宮内で上越線に乗り換え。
流石は新潟県、水田が一面に広がる車窓風景。


群馬に入り、榛名山が遠くに。


反対側には赤城山。
ここまで来ると東京まではあと僅かです。


【3日目行程】

7:09富山発→(あいの風とやま鉄道)→8:17泊発→(日本海トキメキ鉄道)→9:14筒石下車→(その間散策)→11:44筒石発→(日本海トキメキ鉄道)→12:05直江津着(そこで駅弁購入)☚ここまで3セク分  117.8㎞
12:26直江津発→13:55宮内発→15:53水上発→17:33高崎発→19:21上野着☚ここまでJR分(青春18きっぷ使用) 334.0㎞

かかった時間 12時間13分(散策など含む)
距離 452.8㎞
本来の運賃 8,210円(3,610円お得!)

そんな訳で、2泊3日のフィルムカメラを持った長い旅はおしまい。
今までのトイカメラより写りが良く、今後もメインとして使えますね。
また近いうちに18きっぷの旅を予定していますので、その時はここでまた写真交えたざつな旅行記を書きたいと思っています。

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