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フィルムカメラ”LOMO APPARAT”を持って18きっぷの旅(その2)

フィルムカメラ”Lomo Apparat”を持っての二泊三日の旅、今回は二日目。

【一日目はこちら】

二日目は今回の旅のメインである、「立山黒部アルペンルート」縦断。
説明不要の観光ルートですが、まずはその大まかなルートです。
拙い絵地図ですが(笑)、まず御覧をば。


扇沢から立山まで総延長37.2㎞、昭和46年に全線開通した、定番の山岳観光ルートで、その間をいろんな乗り物で乗り継いでいきます。
(その区間には自家用車が入れない)
それらを乗り継いで縦断する場合の運賃は10,940円、しかし、今回は前売りで購入し、1万円を切る運賃で縦断します。
WEBきっぷで事前予約し、当日に受け取ることが可能(クレジットカードが必要)。
特に今の時期は「夏の早割10」で、利用開始日の10日前に予約するとお得になります(8/31利用まで=購入期間は8/21まで、なお、秋にも早割10があり)。
今回はその「夏の早割10」で購入しました。


立山黒部アルペンルートきっぷ 早割だと正規運賃よりお得です


さて、ここからはフィルムカメラで撮った写真を織り交ぜて進めていきます。


扇沢から黒部ダムへは電気バスへ。
上にパンダグラフみたいなのが見えますが、そこから充電するみたい。
全線トンネルですが、黒部ダム建設の際に開通させた地下トンネル(大町トンネル)を観光ルートに転用させたもので、途中で破砕帯を通過するのがハイライトでしょう。
トンネル工事で破砕帯にぶち当たり、全通するまでに多くの犠牲と時間を要してしまうのですが、黒部ダムが難工事だったと言われる所以がこの破砕帯。
今も水が染み出ているのが車窓からも確認できます。


黒部ダムにとうちゃこ。
まずはダム展望台からの眺望。

黒部ダム
富山県立山町を流れる黒部川に関西電力によって建設された、水力発電用のダムで、昭和31年着工、171人の殉職者を出しながら7年の歳月をかけて、昭和36年に送電を開始、昭和38年に完成。
黒部ダムから地下にある黒部川第四発電所に水を引いて発電を行っている。
別名、”黒四ダム”


別の場所の展望スポットからは間近で観光放水を望めます。
うっすらと虹が映ってます。


立山連峰に周囲を囲まれた黒部湖をダム堰堤から。
総貯水量がなんと約2億㎥以上!


反対側の堰堤から下を見下ろす。
堰堤の高さは日本一でなんと186m、落ちたら間違いなく死ぬるw
カメラ落とさないよう、ガッチリ握りながら撮りました。
こちらからは黒部渓谷の眺望が望めます。


立山レストハウスの近くには、黒部ダム工事で犠牲になった171名の慰霊碑。
難関の工事と言われていた黒部ダムですが、その大半が前述の「大町トンネル」の工事によるものでした。
犠牲者全員の名前が刻まれたプレートが傍らにあります。

さて、レストハウスでダムカレーを食べて、次に進みましょうか。


黒部ダムの堰堤を歩いて、黒部湖駅からケーブルカーで黒部平へ。
黒部平からの眺望。
向こう側が大観峰で、その間をロープウェイで結んでいます。
距離にして1.7㎞ですが、間には支柱が一本もありません。
これは「ワンスパン方式」と呼ばれるんですね。
実は日本では他に一か所のみ(もう一か所はガーラ湯沢スキー場)という珍しいものだそう。


そのロープウェイから撮ったのがこちら。
反対側から下りのロープウェイがすれ違うところです。
しかし、仮に途中で止まってしまったらどうするんでしょうね?
怖いものがあります(笑)


大観峰からの眺望。
見えるのは黒部湖でしょうか。
山々に囲まれているのが分かります。
この黒部湖の水をためているのが黒部ダムで、関西への電力を支えているわけですね。


大観峰から室堂へはこのトロリーバスに乗ります。
今回の旅でこれに乗りたいがために予定を組んだといっても過言ではありません。
というのも、このトロリーバス、2024年11月(これを書いてる時点で今年)で運行が終わってしまうのです( ;∀;)
正式名は「立山黒部貫光無軌条電車線」と言って、外見は「バス」ながら「電車」、つまり鉄道の一種なんです。
実は日本で唯一、乗客を乗せるトロリーバスで、廃止によって日本でトロリーバスは姿を消すことになります(廃止後は電気バスに替わる予定)。
かつては東京など大都市でトロリーバスを見かけることが多かったようですが、時代の流れでしょうか。
で、乗ってみると普通のバスと違う感じ。
普通のバスが出すエンジン音でなく、電車と同じ音なんですね。
車輪は「バス」と名前付いてるようにゴムタイヤなんですけどね。


室堂に到着し、散策。
まずはミクリガ池
雲が濃く、立山が見えない( ;∀;)
晴れていれば景観が美しかったんだが。


地獄谷
そちらへのルートは火山ガスが凄いために立ち入り禁止になっていますが、そうでなくてもここまでガスの臭い(いわゆる、卵の腐ったような臭いですね、硫黄のガス)が届きます。
実は立山は火山で、先ほどのミクリガ池も火山活動によってできた火口湖ですからね。


立山室堂
日本で最古の山小屋と言われ、江戸時代に建てられたものとされます。
国の重要文化財指定、中に入ることもできます。
古くから伝わる立山信仰にまつわる資料が展示されてますよ。


室堂からバスで移動して、美女平へ。
美女平駅からケーブルカーに乗りますが、その前に巨大な杉の木が。
実は「美女平」という地名の由来になっていて「美女杉」と呼ばれ、古くから立山が女人禁制だったことにまつわる伝説からきているんだとか。
(その伝説がどんなものかについては各自ググってみてください)

美女平からの景観、富山平野が見えてますね。
先程まで涼しかったのですが、ここまで来ると暑さが...…
下界に近いのがわかります。



最後は立山ケーブルカーに乗って、アルペンルートの終点・立山駅へ。
サクッと乗るだけで半日で縦断できちゃいます。
乗る時間さえ間違えなければの話ですがw


立山駅からは宿泊地の富山へ向かいます。
ちょうどいいタイミングに特急電車が入ってましたので、さっそく乗車。


立山を出てしばらくは渓谷に沿ってごとごと揺れながら進みます。
富山地方鉄道、揺れが凄いです(笑)


しばらくして平野へ。
立山連峰をバックに広大な田んぼが広がっています……


終点の富山駅に。
駅にはヘッドマークがたくさん。


富山といえばやはり路面電車でしょうね。
日本で路面電車があれほど充実している都市は他にないかと思います。
日本では廃止とか短縮という流れかと思えば、ここでは短縮どころか距離が伸びて、ライトレールと総合運転できるようになりましたから。
最近では新たに宇都宮でも走るようになったそうなので、いつか乗りたいものです。

富山駅から路面電車に乗って、安野屋電停に下車。
その近くにある「ブルートレイン」という喫茶店へ。
富山に来たら入りたかった一軒で、店名の通り、鉄分たっぷり。
しかし、雰囲気はちゃんとした昭和からの純喫茶です。
乗り物つながりによって正解、純喫茶ファンなら富山に来たら立ち寄るべき一軒です。

そんな訳で、二日目はここまで。
次回は三日目、いよいよ帰路です。

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