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希望の数だけ、失望は増えるけど

こんにちは。歌の趣味がブレブレと指摘されてしまったしまさんです。
正しくは「幅が広すぎてとらえられない」です。今後noteをご覧いただく方はお見知りおきを。

さて、この記事で取り上げるのは、ここまでBUMP OF CHICKEN、スキマスイッチ、ブルーハーツときて、今度は、Mr.Childrenの「くるみ」です。


年始の1月4日。僕が心療内科に発達系の検査を受けに行く最中にウォークマンから流れてきた曲でした。結構前から好きで、最近はほかの曲を聴いていたのであまり聞いていなかったのですが、改めてこの曲について書きたくなりました。


考察をのぞいてみると

Mr.Childrenの「くるみ」は、検索すると考察記事が結構出てきます。

検索順位2位の記事はこんな感じ。

これから来る未来に希望を持ち、夢を見ていた過去の自分
(大切な人が側にいた)に向けて、夢見ていた未来を
現実に出来ず、想像したものとは違う現在を生きている自分。
今の自分に(大切な人はもういない)に語りかけながら、
過去と決別し、今を見つめ、これから来る未来に一歩
踏み出して行こう


またとある記事には「徹底解説!」と銘打ったものもある。

また、「くるみ」自体の由来はWikipediaによると

タイトルは「これから来る未来」を「くるみ」という人物に擬人化したもので、桜井は「最初はそう思わなかったけど、この曲がMr.Childrenの原点のような気がする」と語っている。

なんだとか。

僕自身、本気の解説は上記の記事を読めば十分だと思うので(これは解説記事では全くありません(笑))、僕が歌詞を読みなおして感じたことを書こうと思います。


誰かの優しさも

冒頭はこれからくる未来の化身「くるみ」への呼びかけから始まる。

ねえ くるみ
この街の景色は君の目にどう映るの?
今の僕はどう見える?
ねえ くるみ
誰かの優しさも皮肉に聞こえてしまうんだ
そんなときはどうしたらいい?

よく、何かをやりきって来た人が「いろいろあったけど、今思えば昔の不安とか悩みとかってちっぽけだったよね」と言う。

これからくる未来を知ってる(かもしれない)「くるみ」にはそう見えてるの?と質問している。
ボクも一介の、トーキョー勤務のおそらく一般ピープルだ。ちゃんと悩みを持ってる。その悩みはこれから「ちっぽけに感じる」のかな。


その一方で、誰かが優しくしてくれること、そのこと自体が皮肉に聞こえる、なんか逆のようだけどわかる。世にいう「マウント」のようなものだと思う。


(あなたより強いから)やさしく(してあげて)いるね」という言い方なのだろうな。


そんなとき、どうしよう。僕もわからない。でもひとつ言えるのはそういう態度の人とは距離を置くことだと思う

真の強さはそんなもんじゃないよ、って言うのを書いたことがある。「強がりと強いは別モンだ」と。



それは別の視点で見たら「皮肉に聞こえる優しさ」とか、ハイロウズの「青春」にあった「心のない優しさは敗北に似てる」とか、そういうことなのかもしれない。強がる奴は強くない。


未来は不安と期待がある

次のフレーズには、こんな部分がある。

希望の数だけ失望は増える
それでも明日に胸は震える
「どんな事が起こるんだろう?」
想像してみるんだよ


希望を持てば、それが叶わない失望は増える。
「期待を裏切られる」ということでもある。


仏教の教えでは「期待を持たないこと」を推奨される。なぜなら「諸行は無常」であり、その期待によって失望することは「苦」だからだ。


でもこの曲の主人公は「それでも明日(という希望)に胸は震える」「どんなことが起こるんだろう?」と考える。というか、この先くるみらいにいる「くるみ」に伝える。


「希望を持つこと」は「苦」だと考えていたボクにとっては不思議に感じた。

だって、失望することになったらどうするの?苦しくない?って思った。


でも、希望を持つことが苦ならば、もはや死んだ方が早い、とも言える気がしてきた。


希望が苦になるのは、それがただの不安であるときだ。
そんな気がしてきた。

ホントに「希望」は死んだのか?

「期待を持つ」ことで苦しい、というのはあまりにも物ごとをネガティブにとらえすぎなのかもしれない。
それこそ「期待」や「希望」は万事「不安」でしかない、というくらいとらえ方だ。

でも違うよね。


希望が通るかもしれない。

期待通り、未来が来るかもしれない。

だから、「胸が震える」。

「明日は何が起こるんだろう?」と思える。

「かもしれない」けど。いい。


村上龍氏の小説に「希望の国のエクソダス」のセリフの中に「この国には何もかも揃ってる。ただ希望だけがない」というのがある。


でも、本当は「希望がない」のではなくて、「期待しても失望しかしないから希望が持てない」という意味なんだよね。


じゃあ、本当に明日は常に真っ暗かな?


前の僕なら明日は真っ暗だと思っていた。

「希望を持つこと」は「苦」だと考えていたボクにとっては不思議に感じていたんだから。

失望することになったらどうするの?苦しくない?って思ったんだから。


でも、「くるみ」を聞いて変わった気がする。


そこにある、手に触れられる(かもしれない)希望を持つくらいは、してもいいじゃない。

夢が叶うかもしれないと努力することはいいじゃない。

たとえ失望しても、日々胸が震える、衝動が生まれる、そのときを楽しめばいいんだと思う。


そんなマインドに変えてくれた、突然の「くるみ」。一度ぜひ聞いてみてください。

Mr.Children「くるみ」の全歌詞はこちらからどうぞ↓


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