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131.読書日記/リサ・ガードナー「夜に啼く森」、シゴトがイヤになった時に読む本

今日、noteを始めて6ヶ月だというお知らせ(?バッジ)が届いた。14年やってるXはもうイヤになっているけど、noteは案外気に入って続いている。

D・D・ウォレンシリーズ「無痛の子」「棺の女」「完璧な家族」「噤みの家」に続く邦訳5作目「夜に啼く森」を読んだ。2023年9月初版。ジョージア州の山道で白骨死体が発見され、その身元が判明したところから物語は動き出す。
ボストン市警の部長刑事D・D・ウォレン、FBIの特別捜査官キンバリー・クインシー、誘拐・監禁ののち生還しD・D・ウォレンの情報提供者になったフローラ・デインと、事件が起きた町の町長が経営するホテルのメイドの言葉が話せない少女の女4人が活躍する。

〜ここからネタバレします〜

それにしても…出てくるオトコは、出張中のヨメに代わって子どもの面倒を見てくれる優しいオットやイケメンで賢くて優しくてセクシー(?)なオタクなど主要登場人物に都合の良い男か、ヤク中で酒飲みのレイプ犯やサディスティックで殺しなどなんとも思っていない連続殺人犯で主要登場人物にボコボコにされてもトーゼンな男で、なんだか極端。いかにも娯楽小説な感じ。
出だしはゆっくり始まったのに、白骨死体の身元が割れてからは怒涛の展開で、白骨はどんどん出てくるし、殺人もどんどん行われるし、ページ数は残り少なくなるし、ホントに結末まで行くのかな?と心配してしまった。

フローラやメイドの少女は、極めて残酷な目にあったけれども、己の力で再生し人生を取り戻し、D・Dとキンバリーは過酷な任務をやり遂げ疲労困憊しても優しい旦那と可愛い子どもの待つ家庭がある。
忙しくストレスフルな日々を送る女性読者には一時の娯楽と「私も頑張らなくちゃ」と思わせる激励を受け取るんじゃないかな?


私にも忙しく働いている30~40代くらいの頃に、シゴトが嫌になったら読む本、というのが2冊あった。

一つはトマス・ハリスの「羊たちの沈黙」で、努力しても同僚から足を引っ張られたり、捜査協力しているのに課題(試験?)は免除してもらえずだったり、思うようにならない中で強い意志を持って努力する主人公の姿に、「アタシの困難なんてしょーもない。またガンバロウ」という気にさせてくれた。

もう一冊は三島由紀夫の「鏡子の家」で、エリート会社員清一郎のニヒリスティックで冷め切った心を持ちながら快活に上司に好かれる部下ってこれだろ?的に働く様子が、「こんな風な心持ちで働けばいいのね」というお手本になって気持ちが安定したのであった。

今は、人生を豊かにしたり、楽しい気持ちにさせてくれる本を探しているかな。

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