見出し画像

橋本センセイへ

書く原動力は、誰かへ伝えたい一言や、たった一つの場面。

そこに肉付けして物語などを昔から書いているけど
もう、そのまんま、物語にせず、シンプルに書き残したいなと思い
ラブレターしようと思い立ちました。


続くかしら?


一通目は

ファンレターを送りたいなあと何年も思い続けているけど
負担かな?と思って実現できていない橋本センセイへ。
出版社も、今はどうなっているんだろう?

橋本センセイ。


17歳の私は、田舎の本屋で平積みにされたあなたの漫画の表紙を見たときに

波に濡れた女の子の足が
いやらしくなく、なんだか絵画的で、でもなんて肉感的なんだろうと

ちょっとそわそわした気持ちになりました。

限られた小遣いしかない田舎の高校生にとって、500円を超える漫画はもちろん高価。

でも、私は迷わずレジに『パーフェクト・ストレンジャー』を持っていきました。

当時お世話になっていた、おばあちゃんちの畳の部屋に寝転がり、
ページをめくりました。

びっくりしました。
え、と思いました。苦手かも、と思いました。

絵が、もう、驚きすぎて。

お話の展開も、セリフも、終わりかたも、すべてが、それまで知っていた「作り物の世界」の枠を超えていました。世間を知らない私には、かえってそれが嘘くさく思えました。

でも、何度も読み返してしまうんです。

そして、嘘くさいと思っていた人物たちのセリフや行動や理不尽なこと。その全てが、本当は、こっちが本当のことなんだと、自分が実際の世界で悲しかったり恥ずかしかったり汚れた気持ちになるたんびに思うようになりました。

橋本センセイのお話には

本当と、愛すること、傷つくこと、でも大きな流れの中で大丈夫なこと

そんなんが詰まっている。
びっくりするほど、純粋に、まっすぐに。

その独特な絵柄、心に刺さるセリフ、ダイナミックな構図に
私はもう、30年以上、夢の中のようなんですよ。


お元気にされていますか?

どこかで描かれているなら、どこへでも
この人生の中で、飛んでいきたい気持ちです。


素敵な物語たちに感謝を込めて。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?