見出し画像

20230528 でっかい・イベント・やってみよう メモ

 アニメ「Do It Yourself!! - どぅー・いっと・ゆあせるふ」のイベントにいきました。

朝。出発!近所でフリーマーケットをやっていてDIY7話じゃん…。ってなった。

電車乗って西へ。

多摩川もこえてずっと行って、休日でたいへん賑わう海老名の駅に着きました。
駅ビルから離れるとすっと閑静になって、広い街路の向こう、木立の奥に、海老名市文化会館があらわれました。

いい建物

入ると、高いホワイエに、あの聞きなれた劇伴音楽たちが響いている。またミートの小屋や、DIY部の看板などの品が出迎える。

設定資料・おつかれさま本で見たものだけどほんとうに「アニメそのまま」でした。

この文化会館にあってこれら品々だけがアニメーションのパステル色の雰囲気をまとって浮き上がってはいたものの、おもちゃのような非現実の感じはしませんでした。
アニメの再現品って往々にして、実在感のないおもちゃのような無機質な雰囲気になることがあるけれど、これら品々については、このアニメのために設計図が引かれ、ときにはスタッフやファンの手で手作りされたものであると知らされているから、その夢のような色合いの割に、現実感を損なわないでいられているのかもしれない。

物販でブルーレイやCDを買い足し、特典の抽選に参加しました。一定額ごとにガラポンを回し、台本や(色紙ならぬ)色木があたるというしくみ。
ガラポンくじ一発目でサイン台本が当たって、まだ残り15回ガラポンを回せる、でももう十分です、もうこれいいです、と言ったものの……結局びくびく回し、当たるな当たるなと思ってたのにもうひとつ、当たってしまった。
大森日雅さんのサイン入り色木、どこかの欲しいおたくに当たってくれればいいな…と辞退しました。

台本をみつめる。本当に大切なものを預かってしまったなと思う。

自分のチケットは夜公演分なので、しばらく海老名の駅に戻り、適当なコーヒー屋で巡礼日記を書き足して過ごしました。

店を出ると、すこし翳った景色の向こう、大山や丹沢が望まれる。

文化会館内の喫茶店に落ち着く。熱々のスイートポテトが大変美味しかったです。

いい名前

とやっていると列形成の時間で慌てる。

列の横に催し物一覧があった。
地元合唱団の発表会や練習とならんで、どぅーいっとゆあせるふのイベントも掲載されており笑顔。
なんならこのイベントも発表会みたいなものですからね。

入場して、グッズを買いつつおたくさんたちと会いつつ、お連れのUEC声優研究会のひとにも知り合えた。声研の定期イベント、超アニで、最後にすとあらさんがDIY10話の最後をフルでかけたときのこととか思い出した。まじで偉いサークルなんですよね。しっかりイベントに通う偉い人々が集まっていてすごい。

着席。厚い緞帳が舞台をまもっている。
こういうホールの声優イベントにくるのは初めてなので、こんなになんというか、昔ながらの観劇のような雰囲気があるとは思いませんでした。

開演の合図があり、その緞帳の奥から、彼女たちのさわぐ声が聞こえてきた。公民館の催し物のような自然さで。

幕があがって、アニメ主題歌「どきどきアイデアをよろしく!」の歌唱。
イベント開始です。
感無量どころじゃなかった。奥歯噛みすぎて割れるかと思った。


トーク/DIY パート

歌唱ののち、あいさつを経て、各パートに入りました。まずはこのトークとDIYのパート。

キャスト6人から、順繰りに2人ペアで制作作業をし、残り4人でくじ引きで出たお題にもとづいてトークをする、作業が進むごとにペアが入れ替わるという形式。トークパートとDIYパートが左右で同時並行ですすむけど忙しくはなく、基本トークに注目しつつ、たまにDIYペアの進捗を見やる、というように、好きなほうにいつでも目線を動かせる自由がある。

この形式上、トークの途中で作業の進捗に応じてメンバーが入れ替わります。
だから、けっこうトークの取り回しは難しいはずなんだけど、でも会話を全然回しきる稲垣さんの胆力ですよ…。
たとえば、トークお題・DIYで作ってみたいものといえば→家だね!って話になり、ひと笑いで流れる話題かと思いきや、会話外の佐倉さんにがっつり話を振って、戸惑わせつつ、佐倉さんのお母さんを借りてくるみたいな話までぶっとばしてしまう、この気合。笑顔になった。佐倉さんの「借りたいと?!うちの…シノブ(佐倉母)を?!」って反応とかも笑顔。
行ってみたい海外とか食べたい豚料理?とか。ミートのスピンオフ見たいとか。また三条行ってみたいなって話があがっていたのも良かったです。ぜひあの町を歩いてほしいもん……。

トークがそうやって回るかたわらで、ウィンドチャイムのDIYが進む。高儀の電動ドライバーの見た目が良い、って話になってたのが良かった。
実際に家ぐるみでDIYをやっている佐倉さんが熱弁するから説得力があるのです。お世辞にきこえない。

たしかに格好いい、かも。

できあがったウィンドチャイムは本当に綺麗だった。あからさまに完成品をかけるために突き出した梁に、そっと掛けたのは、ちょっとnmmnっぽいけど、どうしょうもなく良かった…。
共同作業だった。
またビーズの長さがあきらかに不揃いになっているのも、「当たり前が少しずれてたって 同じじゃないから 楽しいんじゃん?」なんですよね。
また、一話で部長が言ったように、失敗のあとが味になる、んですよね…。

工具を使う姿を取り上げるアニメであって、一方で現実世界で工具を使う姿は多くの場合地味極まりないから、その落差をいかんせんという感じなんだけど、でも今回ステージの上で工具を使う姿そのものの魅力を示してくれたのがこれはよかったかもしれない。

また、キャストの作業を手伝ったり、裏で作業をしてくれたであろう高儀株式会社さんたちのサポートの技量もすごいなと思った。彼女たちがしっかり時間を要した作業をさらりと舞台裏でしてしまっているんだろうなあ。

終演後ほんだしさんにも話したんだけど、 作業の手触りを彼女らが感じているだろうと想像されることが本当に稀有なのです。(わたしたちにもその作業の感触は共感されるので)ステージの上の感覚とわたしたちの感覚が直結する感じがする。

アフレコパート

その後はマイクが設置され、生アフレコパートに入りました。
演じたのは以下の4シーン。声優さんたちが投票で選んだとのこと。

パレットを解体するシーン

SEと、絵と、力む声が、とんとんリズムを刻む。アンサンブルが成立していた、あまりにも精巧だった。
このアニメの魅力である、DIY パートは、物語の筋を動かすものではないからけっこう気楽に見流されがちなところはあるけれど、あらためてしっかり大画面でみる機会を今回得て本当に良かった。音と絵と声がぴったり合って作業が進んでいる、しかも愛らしく。毎話すごいことをやっている。

ミートの家を作るシーン

稲垣さんが電ノコの絵に合わせてからだごと声を震わせててかわいいな……になると同時にすごいな……になった。
このシーンは、こんな声色があるんだ、というのをそれぞれのキャラが見せてくれる重要なシーンであるから、選んでくれたのが嬉しかった。
たとえばいつもの「まあいっか」式でない、「完成させなければ」と、少しきりきりするような雰囲気のこもったせるふ、それを本当にやさしく包もうとする部長の声、また素直になり始めるぷりんの声。どれも目の前で演じられ、声色の変化がわかり、すごかった。。

部長のクッキーのシーン

部長の投生焼けのクッキーにDIY部が苦悶するシーン。聴き入るつもりだったのに全然笑い声出してしまった。
アフレコ終了後のトークにて、ジョブ子がもし食べていたなら、ずばり「Bad Job.」って断じていただろう、とか、生焼けなのに味を褒めたしーは別に味音痴というわけでなくて、海外だとクッキーの生地を味見したりするし、そういうのと勘違いしたんじゃない?とかのミニ考察があった。やっぱり演じるキャラクターのことってよくよく考えているんだなあと実感。

12話の回想シーン


 過去のカットと現在のカットを往復して感情を高めていく。このカットはけっこうタイトに差し込まれていて、声優さんは感情をそれぞれの時代でこめながら、精確にカットのタイミングに合わせて声を切り替える。
すさまじい仕事を目にした。そう、耳にしたというより、その表情や身振りも切り替わるのを目にした。

いやすごかった。

締めトークパート、歌

佐倉さんが暴れてたな。せるぷりのアクリルスタンドを重ねて「存在しないシーン」を作る本気の悪いおたくの遊びを始めたのが迫力あった。イベントの進行半分無視してるまであったし…好(ハオ)。この後の歌唱パートでもしっかり「聴き」モードに入っていたし。

褒め言葉で、「キャラがかわいい」のみでなく、「キャラを演じるあなたたちの声が本当に好き」を何度も繰り返していた。

まさに佐倉さんの言う通り。佐倉さん含む彼女たちの個性のある声を適切に受け止めるこのホールの仕上げも大変良かった。
彼女らの声のミックスに適したものだった。会話が交じるときでも、歌を合唱するときでも、どの声もクリアに聞こえた。

EDテーマ「続く話」の歌唱に移る。ステージにうすくスモークが焚かれた。

その後はめちゃくちゃ感情できれぎれの記憶なんですが、
一ノ瀬さんは変わらず不安げに歌うんだけど、稲垣さんがうなずきながら支えながら聞いていたのが本当に。アンサンブルでした。ステージの孤独があった。
歌詞にある歩幅の違いを表現したり、ED映像にある手のつなぎを表現したり、目線で関係を展開させたり、生身でこの歌にまつわる全部を担っておられた。

歌唱後。

それぞれの声優さんが一言ずつ話す。
稲垣さんが涙ぐんでいた。
彼女にとって初めての主役であったこととか、当時、アフレコの場でもせるふへの感情移入でシーンで泣いていたことを思い出したとか、少しずつ話していて、、
そして、その話を聞く和氣あず未さんの真剣な優しい顔よ。稲垣さんから目をそらさない。

大森さん。自分の家でも両親がよくものづくりをしていて、木肌の手触りなどを好ましく感じているみたいな話をされていた。


ドラマの話に移る。
ドラマの皆がまた愛すべきひとたちだ、って話をして、自分も写真をみてやっぱり信頼できるよなってなって、そのうえで「でもアニメの2期をみたい」という言葉をきいたとき、自分でもびっくりするくらいしっかり「見たい!」って気持ちが起きてしまった。
あの12話で本当に完結している、完璧になっていると感じていたけど、やっぱり彼女らにまた会いたいんだな。
なにより、そう演者さんたちが口に出してくれることの大きな力よ。お世辞でなく、今日の一連のイベントを通して、それはお世辞でないとわかるんだ。

最後にもう一度、主題歌をうたう。冒頭のうたとはまたがらり違って聞こえる。なんというか、また一段、組みあがりきっているような感じがしたんだ。
ステージでぐるぐる入れ替わったり笑ったり

わたしの声は要らない、つもりだったけど、もう大きい声でグッジョブ!歌っちゃったし

手拍子をしながら、これでこの歌をきけるのが終わりになるとするなら、それはとても悲しいな、という気持ちがこみあげてきた。

そして、ああ、この曲を初めて聞いたと気にも感動したところ、最後が(モータウンやRnBの往年の名曲たちをなぞるように)にぎやかにスキャットしながら、フェードアウトしていくところ。これが本当に効いてしまった。
ずっと消えないでほしい、と思った。

本当にね。
最後に稲垣さんが、「どぅー・いっと・・・」と掛け声をして、みんなで「ゆあせるふ!」と応えたときに、ばちりとサビがもう一度流れ初めて、さすがに叫んでしまった。こういうのはずるい。

ありがとうございました。


話したり考えたりしたこと

ほんだしさんたちとまた会って、ぐちゃぐちゃに話してた。上のような感想とか。原義の「とうとさ」があったとか。
またさっさとはおーや声ラブは聴いたほうがいいですよとか。

海老名駅に別れて、青梅さんと急いで合流、三河屋さんで駆け込みの角打ち一杯にありついた。

ここおすすめです。二兎が樽で置いてあるのは見てみるといいです。

よかったんですよね。どこからこのアニメを好きになったのですか、とかいろいろ話しました。またガールズラジオデイズの話、三条含む聖地巡礼の話、フリップフラッパーズの舞台・福島県本宮市のおいしいパン屋の話、など、全国に話がおよぶ。

https://murayamabakery.jimdofree.com/

帰路、小田急に乗って、このアニメのエンジニアリングへの向き合い方の好ましさなど、ずっとよもやま話をしつづけて、解散。ありがとうございました。


ステージ上の皆さんは、ことあるごとに、この作品の周りに優しい人が集まっている旨を言っていた。

そのとおりだと思う。スタッフの人たちも優しかったんだ。上に書いた福引の時とか。
また少し前、渋谷でポップアップショップがあったときのことも思い出している。

初めていったDIYの物理現場で、いろいろ迷いに迷って、レジで商品を差し出したとき、「ぷりんちゃんが1つ・・・ジョブ子ちゃんが1つ・・・」と数え挙げられて、なんてLoveなんだ…!!と思ったことを想起した。ただの商品名であれば、ぷりん、ジョブ子、でいいもん。

ドラマを優しいひとびとのいる三条で撮れることになった幸せも言っていた。
せめてステージをみる自分も、そのやさしいひとびとの一員であれたらと思った。


今回のEVENTにおいて、スタッフだけでなく、ファンのわたしたちも、あの場で何かを作っていたという感覚があるのです。作品の制作に観客は参与していないのだけど、でも、もっと間接的なやり方で、この物語に関わったんじゃないかという感覚。

なんといいますか。

今回おこなわれた声芝居と、アニメの声芝居の違いは、聞き分けられなかったのだけど、でも特定できなくても、そこに違いがあるということを確実に知っている。なぜならば、収録場所は海老名であって、彼女らの横には、(アフレコ当時とは違い)同僚の6人が勢ぞろいしていて、DIYの物語の完結を一度経ていて、(これは希望だけど)目の前にはわれわれファンたちが固唾をのんでいるから、そのようなもろもろが、彼女らの声に影響し、影響された声は同僚や観客に届き、音のスピードの遅れをもってまた彼女らに跳ね返る、そうやって再帰的にかかわっているに違いがないから。そうやって有機的に組み立っているから。あまりにも稀有なことだったと思う。こういうやりかたで組み立てに関われているかもしれないということが。

ほんだしさんたちにもこれらの感動を言っていた。アフレコは、凄いですよ。と返された。そうだな。そして、実際の収録では6人同時に会するとは限らなかったから、このシーンは初めて彼女たちが、たがいの演技と組み合わせながら作った声芝居だったんだ、と気づいた。

ガールズラジオデイズチーム富士川のイベントのことを思い出す。
最初笑っていいんだか、どうか、わからなかったんだ。でも笑いごえとかで参加することにして、それが演者さんたちの喋りに即座にきっと影響して、キャラが生身で立ち現れて、目を閉じればキャラが、目をあければ声優さんがいる、同時には見えない、錯視のような図地反転の体験を得続けていたんだな。

そうだ、あのときも、このコンテンツがずっと続いてほしいという思いに満ちた空間が用意されてて、企画の愛があふれてて、またやりたいと声をあげあったんだったな。近い体験だったと、今これを書きながらようやく思い出しました。

続いてほしいな。
重ねて、ありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?