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就寝の儀式

昔から寝つきが悪かった。
寝つきが悪くて寝起きが悪い…。
母親泣かせの幼児のようで情けない…。

ところが、年齢を重ねるとどんなに寝不足でも朝は6時前後に目が覚めるようになった。
夏はここからベッドの中で少し動いたりテレビをつけてから起きる。
冬になると、ベッドからなかなか出なくなるんだろうな…。
寒いのは本当に苦手。
冬の朝にベッドでうつらうつらする時間が長いのは在宅ワークの特権。

寝つきが悪いのでかかりつけの病院では睡眠薬をもらっている。
眠れない日が続くと寝る直前に半錠飲む。
中途覚醒してしまったら、そこで残りの半錠を飲む。
落ち着いてきたら、半錠を1/4錠にする。
やっぱり依存してしまうのが怖いのでできるだけ飲まないようにしている。

数年前にテレビをつけたままにしているとなぜか眠れることに気がついた。
当時勤めていたデイでそのことを言ったら、
「え~…そんなの却って眠れないよ」
と言われた。
ただ、直属の上司だけが
「わかる!自分もそうです」
と言った。
プチ否定されたあとだったのでちょっと嬉しかった。

ところが、最近はテレビを「うるさい」と思うようになってきた。
消すと静かすぎて目がさえる。
結局つけたままついつい目的もなくスマホを見てしまう。
そして入ってくる情報にまた目がさえる。

うーん…できれば薬は飲みたくない。
でもどうせ目がさえてしまうなら、目的を持ってスマホを見ようと思った。
そこでアマゾンプライムで、観たいと思いながら観られないでいる作品を見るようにした。
最初は「山のトム」…小林聡美さん主演の作品で、大きな事件があるわけではなく、日常にあるささやかな出来事が描かれる。
小さな起承転結の繰り返しで、はっきり言ってオチはない…。
終わりも「え?これで終わり?」という感じ。

でも、こういうのがたまらなく好き。
小林聡美さん主演の作品には共通の安定したリズムがある。
舞台は田舎だったり、タイだったりフィンランドだったり、南の海辺だったりもするけれど、時には
普通の住宅街だったりもする。
登場人物の設定はちょっと個性的。
小林聡美さんの、少し突き放したような、でも包容力のあるような、でも丁寧に暮らしているような感じが好き。
やはり大きな事件があるわけではなく、普段誰もが経験しているような日常の小さな起承転結。

「山のトム」は一度で観ることができなかった。
1週間くらいかけて少しずつ観た…眠くなってしまうから(笑)
大きな事件がないので、安心して
「また明日…」
と目を閉じることができる。。

今観ているのは
「メタモルフォーゼの縁側」
これはLINE漫画で無料の分だけ読んだ。
主役2人がとても好き。
市野井さんの天然だけど前向きでかわいらしいところ。
うららさんの不器用だけどすごく優しいところ。

なので映画で観てみようと思った。
宮本信子さんと芦田愛菜ちゃん。
素敵な二人はほんのちょっとだけ、原作と違う感じがするけれどそれでもやっぱり魅力的な女優さん。
3日くらい続けて観ているけれど、それなりに起承転結がきちんとあるのに進まない。

ん…?
これは…いいかも。
寝る前に目的のあることをすると眠れなくなると思っていた。
けれど、どうやら寝る前のアマプラは
「眠くなる」
と脳が学習したらしい(笑)
新しい「就寝の儀式」ができた。

しばらくはこれでいってみようかな。
山のトムに会ってから、睡眠薬のシートは減らないままナイトテーブルの引き出しの中。

今日もこれからシャワーを浴びて、市野井さんとうららさんに会いに行く。




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