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昭和歌謡と定例会

先日は親友の彼女との定例会、月イチランチの日だった。
月に一度、おいしいものを食べに行ったり、都心のイベントに参加したり、占いに行ったり、ひたすらしゃべり倒したり…3~4時間を一緒に楽しむことにしている。

ここ数カ月
「ジムに行きたいね~」
と話していた。
市営の体育館のトレーニングルームを使えばいいね、と。

ところが…である。
限りある時間をトレーニングをしてしまったら、汗をかいた私たちはどうすればいいのか…。
そのままランチに行く?
汗臭いよね…風邪ひくかもしれないし。
あ、モーニングかなんかしてからジムに行く?
そしたら、お昼ご飯っていつ食べるの?
てか、そもそも月に一度ジムに行って…(いやいや、おいしいものを食べたいときもあるから、2~3カ月に1度かな)…それって意味ある?
アラ還の私たちにはむしろ害じゃない?

なーんて…。
きっとお互いに思いながら口に出せない。
私たちに運動が必要なことはわかっているから。
で、結局何だかんだとできない理由を探しながら、なかなか踏み出せずにいた。

すると、今月の予定を決めるときに彼女からLINEで一言
「カラオケ行きたい」
とメッセージが来た。

そう!
そうなの!
メッセージがくる前日、テレビで昭和歌謡をやっていた。
母たちが
「青い山脈」や「旅の夜風」を聴いていたように
「涙のリクエスト」や「DESIRE]を聴いた。
思春期からのあんな場面やこんな場面が頭をよぎった。
そして私も思っていた。
「カラオケに行きたい」と。

やはり彼女も同じ番組を見たとのこと。
そして
「カラオケボックス、9時からやっているよ…」
とメッセージが来た。
私はちょこっと調べて
「モーニングというのもあるらしいよ」
と返事した。

結局9時に現地集合。
モーニング時間12:00までをほぼ休みなく、焼きおにぎりを食べながら歌い続け、時間延長までして思い出に浸った。

彼女のセレクトソングは新しいものも古いものもあり、よーく知っている歌も、全く知らない歌もあった。
多分彼女も同じように感じたと思う。

考えてみると、コロナ以降カラオケを楽しむ回数が減った。
カラオケボックスでクラスターは発生していない、と知っていながらばったり行かなくなった。
去年の私の誕生日ではカラオケボックスをリクエストして、仲間内で食事のあとに行ったけれど、何となく「盛り上がる曲」「みんなが知っている曲」を歌わなければ…という圧があった。
もちろんそれはそれで楽しい。
だって世代も性別も違うメンバーだったから。

今回はちがった。
マイナーな歌、暗い歌、盛り上がらない歌を歌いまくった。
なんなら歌えないだろう歌も歌って、「こりゃだめだ」と思ったら迷わず停止ボタンを押す。
圧がないからどんどん曲が決まる。
どんどん曲が決まると相手の歌もじっくり聴くことができる。

散々歌って、二人で出した結論は
「ユーミンと中島みゆきは歌詞…言葉のセレクト、風景や心理描写が秀逸」
「青春時代の歌は今聴くと、ストーカーやハラスメントまがいの歌が多い」
「歌う機会がないとどんどん歌えなくなる」
そして
「楽しみながら腹筋使ったね」
と、ジムのタスク未達成に言い訳をした。

彼女が歌った中島みゆきの「化粧」が心に残った。
久しぶりに日本酒が飲みたくなったくらい。
中学生くらいの時によく聴いていた。
今の若者が聴いたらどう思うのかな、と思うような歌詞だけれど、翌日娘に聴かせたら
「刺さるね~」
と言っていた。
でもサブスクでは中島みゆきの歌声ではなくて、男性歌手のカバーだった。
それはそれでよかったけれど、やっぱりあのつぶやくような、心の痛みを吐露するような歌声で聞いてほしい。

最後はサザンの「シャ・ラ・ラ」をデュエットして締めくくった。
来月はどうするかな…意外とまたカラオケに行ったりして(笑)

ストレス発散にもなった今月の定例会。
でも、これは今までのいろいろを見てきてくれた彼女とだからこそ。
人生ダメダメだった時も、さりげなくいい距離感でいてくれた。
そして、私も彼女が人生ダメダメだった時を知っている。
自分の努力ではどうにもならなかった時。
今まで盤石と思い込んでいた足元の液状化現象をただただ見ていることしかできなかった時…。
眠れず、食べられず、明日を迎えるってどんなだったっけ?と思う夜…。
でももう笑うしかなくなって…笑えるようになるまでも友達でいてくれた。

私にとっては、姉のような、妹のような、同志のような、大切な友達。
残っている人生、少しでも健康で笑顔でいろいろなことを一緒に楽しもうね!

ジムにはやっぱりいかないかもしれないけどね(笑)

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