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自転車で旅にでよう/Cycle tourism in KYOTO Ep3

「折りたたみ自転車をクルマで輪行して京都をめぐる旅をする」これをやりたくて僕はBROMPTONを購入した。あれから2年、ようやく京都に向かう。

3日目の朝は雨だ。傘をさすかささないかのギリギリの雨模様。雨雲レーダーなどで確認して時間をずらして出たが、時折り本格的に降る雨の中、哲学の道へと向かう。購入時フェンダーをつけるか悩んだがこういう日が来ると思いつけておいたのは良い選択だった。

哲学の道とは、銀閣寺と南禅寺の間を結ぶ、約2kmに渡る散歩道。脇を流れる水は琵琶湖疎水で、疎水の山側は自然の森となっており、対岸側は桜の名所としても有名な桜並木がある。春は桜、初夏は木々の緑、秋は紅葉と四季折々に景色が変化する自然が美しい路だ。歩道を自転車で走るのはもちろん無理だが並走して道があり未舗装路なれど自転車で通行出来るのはありがたい。とはいえ銀閣寺に近づけば観光客が次第に増えてしまう。

京都の他の地域とは違い、南禅寺界隈は特に雰囲気のある店が多いと思う。昔からある家々と比較的新しい店がうまく共存していて、それがまた良い雰囲気を醸し出す。珈琲を飲みながらゆっくり過ごすのもアリだろう。ちょうどお腹もすいてきたので中間地点にある“ GREEN TERRACE “というカフェに入る。店頭に自転車を置かせていただいた。店内も広く、テラス席もあり天気が良かったらテラスを利用するのも良いだろう。それにしても今回の旅行でいただいた京都のご飯はどれも美味しかった。まず出汁が美味しい。そして、スパイスに山椒が効いているのがまた良いのだ。おばんざいとは伝統的な京都の家庭料理だが、今回食べる機会がなかったのでこちらで「京のおばんざいらんち」をいただく本来のおばんざいとは違うと思うがやはり出汁が美味しく、ヘルシーな雰囲気のいかにも京都風なメニューであった。傘をさすほど雨が降ってきたのでこれ幸いとバスクチーズケーキもいただいて雨をしのぐ。美味しい昼食となった。

GREEN TERRACE

雨も小雨となりカフェを出て初めて銀閣寺を参拝する。金閣寺は観光地化されお寺の風情は皆無であったが銀閣寺はしっかりとお寺然としていて落ち着いた雰囲気が心地よい。ちょうど花まつりの頃で誕生仏がお祀りされ甘茶を注いでお参りが出来た。良いお寺なのと思いがけず花まつりであったことで、ちょっとテンションが上がり甘茶をかけてお参りするのだと外国人に話しかけてしまう。

雨中の自転車行脚となったがびしょ濡れになることもなく行程を終えた。BROMPTONはクロモリなのでサッとタオルで吹き上げてからクルマに乗せる。その後はクルマで移動し三十三間堂を参拝。帰る頃にはしっかり雨降りで、3日間自転車に乗れたのは幸運であった。そもそも来る前は雨予報だったのだ。初めてのサイクルツーリズム。色々と課題もあるが何より肝心なのは天気だと痛感した。旅行に赴く際は天気が悪い時の代替案も用意しておくべきだろう。特に途中で雨が降った場合の判断は難しい。とはいえ、天気が良ければこれほど気持ちの良いものはない。自転車は京都のような街を自由に行き来するには良いギアだ。春の陽光の中で自転車を漕ぐのはとても気持ちが良いものだ。ましてや桜が満開であれば言うことはない。

京都はレンタサイクルが充実していた。それに伴って市内の駐輪場や自転車屋の数も多いので安心して乗れる。日本人にとってレンタサイクルはなぜかレイクサイドやリゾート地で乗るものというイメージがあると思うが、京都のレンタサイクルは日本人よりも外国人の利用者が目立った。こうした都市型のレンタサイクルを交通手段のひとつとして利用するのはアリだろう。BROMPTONのオーナーなら輪行して旅先で乗って移動に使うということも出来、自転車で街を走れば、人と自然の関係や街の有り様などを考える機会になる。今回の旅を通じて今までと違う京都を体感し、新しい魅力を発見出来た。サイクルツーリズムをひとつの新しい旅の形として検討してみてはいかがだろうか。

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