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夫婦を知る旅:Day1

先週、私たち夫婦は旅に出た。
夫婦による、夫婦のための、夫婦を知る旅。

まだ新婚と名乗っていいのかわからないけど、結婚して最初の大きな旅行だから「新婚旅行」といっていいだろう。

日程は3泊4日。
国内を旅したかった2人にとって、十分なお休み。

手続きを済ませて、荷物を詰めて。
前日は早めにお布団に入った。

***

Day1

ちょっと早めのお昼。
私たちは西の都・京都にいた。

京都まできて親子丼。
出汁しっかりめで美味しかった。

分刻みのスケジュールは好きじゃないから、旅行の予定が決まっているのは大枠だけ。次の予定まで、ぶらり京都を散歩した。

路地裏の大黒様。

駅、商業施設、大きな寺社。
時代と共に変化しながらも、混ざり合う新旧の生活。当たり前の景色の中で放たれる寺社の存在感。京都ではそれが特に大きいように感じた。

平日のため人は少なく、ハトの方が多い。
京都という土地柄のせいか、彼らのしぐさもどこかシュッとして見える。ハトたちに挨拶しつつ門をくぐると、そこには大きな大きな阿弥陀堂があった。

東本願寺の阿弥陀堂。
豪華な装飾と柱の太さに威厳あり。
手水舎の龍。そして御影堂。
背後の鉄パイプはなんだ…?

「旅行先、必ずどこか工事中」
こんな五七五を詠んでしまうほど、私には工事運(?)がある。御影堂では大きなスロープの設置作業真っ只中だった。なので正面からいい写真が撮れず。無念。

東本願寺を後にしたら、東山方面へ。

道中みつけた路地裏のカフェ。
お休みではいれず。こういうこともよくある。


向かうは1001のイケメンが揃う、三十三間堂。

大きすぎてうまくカメラの画角に収まらず…
お堂の前もとても綺麗。

歴史に興味のない旦那もおお!と感嘆の声をあげていた。

ずらっと並ぶのは風神雷神、十二神将を除き、全て千手観音立像。
同じように見えても、よく見ると顔や衣紋などに個性がある。人間もどんなに似せたって、絶対に違うところがある。逆に、違うように見えてそう大きく変わらないこともある。

私たち夫婦は「違う」が多い。
趣味も、好みも、考え方も、感覚も。最初は揃えることに必死だったけど、その違いを受け入れたら、2人の生活がすっきりまとまった。同じ形のピースを探すんじゃなくて、凸と凹がうまくハマる隣同士になれるピースが夫婦なのかもしれない。
もちろん形の調整は、少々必要だけれど。

***


三十三間堂を後にして。
まだ時間があったので、冷えた体を温めるため、喫茶アマゾンに立ち寄った。

差し込む西日がいい雰囲気。

パンケーキをご所望の旦那さん。
目をつむり、くぅ〜と甘さを噛み締める。私がその顔になるのはビールを飲むときだけなんだけどな。笑

かためのホイップ付。
素朴な甘さが美味しいパンケーキ。

***

PM15:00 @京菓子の老舗・甘春堂。
初日のメイン、和菓子作り。

近いからと喫茶アマゾンで余裕かましていたら、まさかの場所違い。慌てて向かったが、なんとか間に合った。

この日教わったのは4種のお菓子。
職人さんの指導の元、こねたり、のばしたり。
想像以上に手で形作る工程が多く、道具を用いるのはほんの僅か。手こずりながらも、なんとかそれらしい形に仕上がった。

左上から、福寿草、水仙、雪割草。
一つだけお抹茶と一緒にいただきました。

消えものは後に残らない。
記念と思うとカタチに残るものがいいのかもしれない。

でも「同じ体験をする」「同じ時間を過ごす」ことが私は好きだ。これを書いている今も、手にはお菓子を丸めた感覚、目には彼の不器用な手つきが焼き付いている。私はこれから何度もあの時のことを思い出すだろう。

土産の箱を大事に抱え、甘春堂の暖簾をくぐる。
外はもう夕暮れ時。

駅に戻った私たちはホテルを目指し、JR京都線に乗り込んだ。
初日の夜は、まだまだこれから。

【つづく】


2023.2.11 追記
三十三間堂について
✖️十一面観音像 → ○千手観音像
11のお顔をお持ちですが、たくさんの手をもつ千手観音像でした。

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