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敷嶋醸造元、伊東株式会社の伊東優です。
これを書いている現在は2022年3月。2021年12月1日に免許取得し、初めての醸造期の真っ只中ですが、更なるステップアップに備え、新たな蔵人さんを募集したいと思っています。とはいえ、まだまだ知名度の低い私たちのお酒。どんな蔵かもわからないまま応募はしにくいはず。

という訳で、まずは”敷嶋”について知って頂くのが一番伝わるかと思い、この記事を書いています。こちらのページでは、敷嶋が目指す味や蔵運営の方向性について記載したいと思います(敷嶋の歴史等についてはHPに書いてあるので割愛します)。

敷嶋の目指す味

キーワードは”上品なゴリラ”です笑
あと外には”1+1=3”となる酒とも言っています。

上品なゴリラ:米の旨味による力強さと上品な酸の調和がとれた酒
1+1=3:料理と合わさって、単独より昇華した味になる酒

です。
旨味がズドン!ときて、そのまま雑味なくスッとキレていくお酒。こういったお酒を造りたいと思い日々精進しております。また料理と一緒に食べ、飲むことで単に”合う”だけでなく、ぶわっと相乗効果により旨味が増すお酒を理想と掲げています。
そのため、香りはそこまで出しませんし、使う酵母や麹の作り方も多少偏りが出てきます。その辺りは造りたいお酒の方向性が同じ方と一緒に働けたらなと思っています。

蔵運営の方向性

1.いわゆる”杜氏制”は敷かず、皆が様々な持ち場を経験できる蔵
2.敷嶋で造りを経験し、卒業された蔵人さんが全国で活躍できる蔵

1については良くも悪くも多くの業界で起こっている現象だと思っています。厳密な”杜氏”は組合に属していないと名乗れないので、この場では「味を決める責任者」と思っていてください。
簡単にいうと、上が動かないと下の人間はいつまで経っても昇格できない、という事象です。僕も前職がサラリーマンでしたので「上が詰まっていて昇格が遅れる」という現象は目の前で見ていましたが、これが更に顕著なのが酒蔵。
最近では一概に言えないですが、杜氏、頭、麹屋、酛屋、醪屋、釜屋など役割が明確に分かれている酒蔵では、上の人がいなくならない限り、次の役割が回ってきません。確かに酒造りを学ぶ上では段階を踏むことは非常に重要なのですが、上の蔵人が動かないと毎年同じことしかできないといった状況も考えられるのです。
僕自身、「杜氏になれない(将来のキャリアアップ構想が描けない)から酒造りを辞める」蔵人さんの話も聞きました。そのため、敷嶋では全ての蔵人が全ての仕事を体験できることを目標にしています。勿論、一気に全部の仕事を教えたらパンクします(ちなみに伊東は12月パンクしました)。仕事の中では段階を踏みますが、1年間これだけというような役職はつくりません。
また、将来的にはタンク1本1本に「醸造責任者」を決め、ラベルにその蔵人さんの名前を入れられるような蔵にしたいなと。味の大枠はぶれない中で、蔵人がチャレンジできる環境を整えていきたいと思っています。

2は1とも関連してくるのですが、基本のしっかりできた蔵人さんを育てたいと思っています。「洗いに始まり、洗いに終わる」。酒造りの中で必ず出てくる言葉です。シンプルに衛生面が品質に直結する仕事。決して作業内容は華やかなものではありません。その基本を教えられる酒蔵でありたいと思っています。
そして蔵人さんを囲い込もうとは思っていません。自分の蔵を経由して、より大きい舞台で羽ばたければ素晴らしいことだと思っています。ましてや免許の関係はありますが、自分で蔵を持てる世の中です。僕自身、自分の酒蔵を立ち上げる中、鯉川酒造さん、長珍酒造さん、福持酒造場さんをはじめ、沢山の酒蔵さんにお世話になり、応援頂きました。どんな形にせよ、自分もそうなりたいという想いが強くあります。

採用条件など

こちらに記載していますのでご確認ください。
今はメイン蔵人さん1人、パートさん1人、私の3人で酒造りをしています。近い将来は4~5人くらいの人員で、ローテーションで休みを回しながらお酒を造っていきたいと考えています。
現時点では、足りていないことも多々ありますが、造りに集中できる環境を整えてまいる所存です。


以上となります。
今後、状況が変わるたびに文面は変えていくと思いますが、決意表明兼ねて!
皆様、引き続きよろしくお願いいたします。

                              伊東 優

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