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詩「ぼかし」

空は朱と紫のぼかし
緞帳が下りて一日の終わりを告げる
静止することのない私たちを
影絵となった山々が包み込む

私たちの足は常に前進を求められる
ゆっくりの歩みもいつの間にか速歩きになる
でもじつは小さな水晶玉のわらび餅を
四季を知らないまま食う人に私はなりたいと思う

スネアドラムのさざめきが
そういう人の静かな孤独を
10円ハゲみたいな太陽の前に晒す
干いては満ちる不安定の豊かさを知らない太陽

車で来たのに歩いて帰るみたいなこと
耳にはめ込んだイヤホン探すみたいな
そういう不協和音が人間でしょって
誰か笑ってくれないかな

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