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敷島
2024年4月23日 11:32
甘美な風に誘われてわたしいま藤棚の下生キャラメルに凝固した香りを一身に受けています最後に見たあなたは絶望のスポットライト浴びて力なく笑っていました脳みそのしわに吸われたその相はリフレイン花序のゆらぎは振り子のよう記憶のしっぽが遺影になってこの藤の花をレイにして石のようなあなたにかけましょうたぶん涙もこぼさないと思いますはたまたすべては石であり花であるためわたしは呼吸も
2024年4月20日 11:56
言葉よ詩(うた)よわたしは口ずさむわたしの白くすべやかな命がやがて花弁の結晶となってあなたの心に芳香を満しますようにあなたから頂戴した水菓子がわたしの喉をたしかに潤したときわたしは無始無終の祈りに至りました気流よ風よわたしは沈黙するわたしの永遠を約束された命がやがてテトラポッドに寄せる波となってあなたの心にワルツを宿しますようにあなたから頂戴した綿菓子がわたしの心
2024年4月19日 15:04
横浜線の三人掛けシートの隅っこで花見名残の缶酎ハイ飲むおじさんと春月下風邪を拗らせて咳き込む私は忌むべき存在として生きる仲間なりなんてったっておじさんも私も臭い誰も座らぬ隣の席に透明のたれぎぬ花も散り月も隠れたのにこの二人はいつ迄も肩身を狭くして揺れている言葉も視線も交わさぬまことの同盟世界よこの外道らを見放し給え頼む