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ペットの同行避難①

今年で85歳になるヤスコさんは、10年前に野良猫だったペル(ペルシャ猫)を保護して、自分の家族にしました。

そんなヤスコさんですが心配なことがあります。

ペルを迎え入れた頃は、家には旦那さんもいて、習い事のヨガやコーラス団体で積極的に活動していて、スイス🇨🇭のマッターホルンに登頂するなど体力もまだまだ十分だったのです。娘家族も徒歩10分圏内に住んでいて、いざという時はペルの世話を頼める人もいました。

しかし、それから10年が経ち、ヤスコさんの状況は変わっています。旦那さんは他界し、娘家族も遠方に引っ越してしまいました。ヤスコさん本人も習い事に行かなくなり、杖を付かなければ歩けないほど身体能力は低下し、隣駅に行くのがやっとの体力になってしまいました。

ヤスコさんは、ペルの終生飼養ができないかもしれないと心配になってきています。

そこで行政書士の孫に相談して、面倒を見てくれる人に信託すると言う形でお金を残すという方法で、ペルの終生飼養をしっかり確保することができそうだということが分かり、ほっとしたのです。

しかし、心配事はまだ続きます。ヤスコさんの家は、築80年の木造一軒家です。最近、頻繁に地震がやってきますが、この家はミシミシと音を立ててかなり揺れるのです。

近所も高齢者だらけなので、町内会の皆でどこに避難すべきか話し合いをしました。

そんな折、東北大震災で多くのペットが家に置き去りにされ、亡くなったり、野生化してしまったりしたという事実を知ったのです。

ヤスコさんの住み場所はもともと川を干拓した土地で、川のすぐ近くにある低地です。大震災が来れば、液状化や川の増水に沈む可能性があります。

避難する際にペルを連れて避難するためにはどうすればいいのか、途方に暮れてしまいました。

そこでヤスコさんは、また行政書士の孫に相談して色々と教わり、ペルとの避難のための準備をすることにしました。
世間では「ペットの同行避難」というトピックについて議論されていることを知りました。

次回は、ペットの同行避難について具体的に考察したいと思います。


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