「情」
◇感情。
情理、情景、情熱、情緒
人情、友情、風情、心情
外国人インバウンドが増えているという
それは日本が「安いから」というだけで説明するのが最近の流行りだけど、それだけとはどうも思えない。
それを言う自分達の行動原理が「安い」であって、それに対しそれっぽいエビデンスを取ってつけて説明しているだけなんじゃないかな?あんまり論理性を感じないのは。
そもそも「安いから」がメインの理由で日本に旅行に来る人はそんなに多いのだろうか?
そういえば幼い頃は「日本人が海外旅行して免税店でブランド品を買い漁る」そんなニュースが誇らしげにやっていた気がする。
なぜ「誇らしげ」に感じたかといえば、それは子供心がそう感じたからとしか言えない。
そういえば、政治家は悪くて嘘つきとも思っていたな。テレビに映る表情を見て子供心がそう感じていたんだね。
◇日本文化。
それを楽しみに日本に来ているというのが圧倒的に多いと思うのだが、どうだろう?それが円安の影響で楽しむハードルが下がった。
じゃあその「日本文化」とは何か?
桜?お城?忍者?侍?寿司?相撲?天ぷら?
そうではなく、そのもっと根底にある日本的「情」だと思う。
それが外国人である自分、もしくは自国に無いもの、だからこそ“惹かれる”
日本という島国、四季、特殊な土地風土の中で生きてきた日本人が培った“元来の魅力”を感じ、それに価値を見出しているのではないか?
たまに見聞きする外国人観光客の言葉から、そんな気がしてならない。
◇「情」という文字を使用する二字熟語の多さが、日本人は「情」を良くも悪くも重要視してきた事を証明している。またそれは悪い意味より良い意味で使われる事の方が割合多いと思う。
また感情の機微を表す表現も多い。
しみじみ
くよくよ
つくづく
しげしげ
よくよく
つらつら
これらニュアンスを伝える表現は外国語ではどうだろう?同様の意味を成す言葉はあまり無い気がする。
現代ではあまり使われない言葉だけど、古い本を開くとこれらの表現が本当によく使われている。
やはり日本人は「情」を伝えることに重きを置いて生きていたのだと思う。
◇「情理」という言葉がある。「情理を尽くす」といえば相手の気持ちを汲み取って道理を成すという意味になる。
これは東洋的文化らしい。
理(ことわり)より前に「情」を置く。
つまり日本人が
理よりも情(心)に重きを置いてきた事を表すそうだ。
そう考えると西洋的な「合理的」と東洋的な「合理的」も、些か意味が異なってくる様な気もする。
「合」が示す意味が異なるからだ。
◇昨今言われる日本人の感じる「生きにくさ」とは、世界と繋がったグローバル社会に置いて西洋的価値観が浸透し、古くからある日本的価値観とぶつかるからだと思う。
価値観だから、それは人と人であり、また自分の中の自分という意味でもある。
権利主張が生死に関わる問題になる多民族国家、厳しい風土土地や隣国と地続きで侵略の危険性に常時充てられた国で譲歩の精神性が育ちにくいなど、そういった国々と海に囲まれた日本では価値観が大きく異なるのは自然な事だろう。
世界中で今もある移民問題も突き詰めれば、こういう違いの影響が大きいと思う。
しかしながら日本人のDNAに刻まれている価値観、和、それに惹かれる外国人がいるのは
日本に流れる「情」に心の安らぎを感じるからなんじゃ無いかな?そんな様な気がしてならない。
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