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ゆっくりと咲く花〜MVループによる物語の連鎖〜

3月の2期生ライブで解禁された2期生楽曲『ゆっくりと咲く花』のMVが9月9日発売のMV集に収録された。この先はそのMVを見ている前提で書いていくのでまだの方は是非そちらを先に。リンク貼っときます。


1カット撮影である意義

この曲は2期生への当てがきになっている(と思ってる)ので、歌詞は2期生をそのまま表したものになっている。

1サビ
自分の無力さに ただ気づかされて
微笑み方さえ忘れた
私は何のために ここにいるのだろう
教えて

何度も繰り返し ごめんなさいと
支えてくれる誰かに謝ってた
2サビ
花にもいろいろとタイプがあるんだ
土から そう芽が出るまで
不安な日々を過ごし 待ち続けていた
ずっと

風にも吹かれたし 雨にも打たれた
日陰にだって いつしか花は咲くんだ
3サビ
ゆっくりゆっくりと 蕾が膨らみ
大きな花びらが開くその日まで
ずっと見守りながら 待っててくれた人よ
ありがとう

みんながそばにいてくれたから
こんなにも素敵な花を咲かせることができた
何にもなかった野原に私たちの花
ラスト
自分なんかどうせ ダメだと思わずに
頑張ってみよう 誰かがきっと見ててくれる

特別捻った歌詞があるわけではなく、『アナスターシャ』よりも直接的な表現で1→2→3と2期生の今までを振り返るような、2期生そのものを表しているような歌詞になっている。そんな2期生の物語を追想する曲のMVを1カット撮影することによって、つまり一連の流れで撮影することによって、2期生のここまでの活動はそれぞれが点で存在するのではなく全部が繋がって今があるように線として存在するんだよと表しているように思える。無駄なことなんて一つもなくて、「無力」だった時も「待ち続けていた」時も全部大切で、それがあったから「素敵な花を咲かせることができた」んだって。

ループによる物語の連鎖

このMVは1カット撮影と謳われているけど実はそうじゃない。ラストの「自分なんかどうせ ダメだと思わずに 頑張ってみよう 誰かがきっと見ててくれる」の2階席で横一列に並ぶシーンからカメラパンで舞台上を映すと2期生8人が椅子に座っている「眠れない夜に 天井を見上げ 涙がなぜか溢れて止まらない」の1番最初のシーンに戻る。ここに関しては確実に1カット撮影から外れたものになっている。というか、撮影が順に1〜10までだとして、 MVは2から始まって10まで行って1に戻って終わってる感じ。
ラスト→1番、と繋がることでこのMVがループするようになる。2期生の物語を追想した後にスタートに戻ることで、ゆっくりと花を咲かせた今の2期生が過去の2期生を「大丈夫だよ」と見守っているのと同時に、そんな2期生が今度はそういう境遇にある人たちを「ずっと見守りながら 待っててくれ」る人になることも表している。これがとっても素敵でぼろぼろに泣いてしまった。そして、その人たちもゆっくりと素敵な花を咲かせて、そのループがどんどん続いていって「素敵な花」がたくさん咲いているところまで見えるような気もしてまた泣いてしまった。

素敵な花々

ギミック的なところ以外にもこのMVにはたくさん素敵なところがあって、2期生8人が「素敵な花」になっていることがたくさん見られるのもいいなと思う。淡い色のグラデーションの衣装も、「徐々に成長して開花していく様子を丁寧に動きに落とし込んだ」振付も、舞台上に置かれたたくさんの花々も、全部「ゆっくりと咲く花」になっているように思えてとっても綺麗で素敵だった。感情が込もった綺麗な涙も、ハレーションが綺麗なアングルも、楽しそうに肩を並べて歌う姿も、全部全部素敵でいっぱいだった。


2期生補正を抜きにしても傑作のMVだと思う。MV集でしか見られないのはハードルが高いけど、それでもたくさんの人に見て欲しい。


*『アナスターシャ』について書いたものも併せて是非。



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