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無敵の人

「無敵の人」という言葉は聞いたことがあるだろうか。
最近、ネットを見ているとよく目にする言葉だ。
ここで使われる「無敵の人」とは、”強くて敵がいない”という意味合いではない。
社会的に失うものがなく、犯罪を起こすことに戸惑いのない人のことを意味する。
本来人間は、犯罪に手に染めない。お店に行ってサービスを受ける代わりに必ず対価を払う。対価を支払わなければ、逮捕される。
逮捕されると、社会的な信用を失い、非常に生き辛くなる。だから人間は、犯罪行為をしてはいけないというのが、当たり前の常識になっている。
少なくとも日本の治安は、法律や規制によって守られている。
倫理観の問題でもなんでもない。
リスクが大きいから、お金をちゃんと払うし、人の物を取らない。

ところが元から社会的な信用が皆無な人間には、犯罪によるリスクが全くないのだ。こういう人間はどんな暴走をするかが分からない。実際、最近では「無敵の人」による犯罪が相次いでいる。

私はこの事態をどうにかしたいわけではない。
ただ思ったのだ。
社会的な信用が皆無、失うものが何もない状態という事は、
どんなバカげた大きな挑戦をしても、失敗した時のダメージが無い。
挑戦しが放題だ。もうこれ以上落ちることがないからだ。

例えば、世間的に立派と言われる職業やエリートと言われる人間は、周りからの評価の圧力が凄まじく、自分が本当にしたいことができない人が多い。
仕事を辞めて、“YouTuber”になりたいとか“芸人”になりたいとか“無人島でサバイバル生活”をしたいなどの夢は周りから酷く叩かれるだろう。
社会的地位が高い人間に限らず、誰だってそうだ。
安定した今の地位より不安定な職を選ぶことは、間違った選択だと非難される。また今の地位より上げすぎた大きな夢を持つことも、鼻で笑われるだろう。大人になれば、挑戦さえ許してくれない環境がそこら中にある。
結局、輝かしい夢を持った人でも挑戦を諦めて、現職に落ち着く。

一度リセットしよう。全てが無い状態から。

「無敵の人」は何にでも挑戦できる。何回でも挑戦できる。
だって、誰よりも“無敵”なんだから。

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