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進化こそ継承!ロックな赤髪三味線野郎 #和楽器奏者八塩を知るタグ #interview

派手な赤髪、和洋折衷の個性的なコーディネート。時に暴れながら、時にしっとりと伝統的な津軽じょんがら節から現代曲、ボカロ曲やEDMまで三味線を掻き鳴らす。

2022年1月に本格的に活動を開始し、地元マルシェ、ライブハウス、能舞台他、多様なステージで活躍中。ビジュアル系の見た目に反し繊細な心を合わせ持ち、老若男女に愛される不思議な魅力あふれる和楽器奏者、八塩(やしお)。地味な日々の演奏活動とSNS活動でフォロワー人数がついに1000名に到達。

今回は八塩さんのファッションへのこだわりを中心に、活躍の裏側をお伺いしました。写真は戯亞亭(あゆみむ)主催 交流型撮影会 #おしゃ会 での撮影です。(文:あゆみむ 写真:長谷川栄介 ロゴ:K

関東中心に和楽器(主に三味線)を弾く万年赤髪です。川越でほぼ毎月無料ライブ!当面の目標はとにかく有名になること。炒飯むっちゃ好き
(八塩さんTwitterプロフィールより抜粋)

一番派手で、格式の高い「紅の八塩」

「八塩」とは「深みのある真っ赤な紅色」を指す奈良時代の和名です。濃い紅花の染め汁に何度も浸して完成する、貴族も憧れる格式高い色味なんだとか。小中学生の頃は全然目立たないキャラだったんですよ。それがコンプレックスでもあって一番派手な赤を選びました。

最初、赤といえば「燕脂(えんじ)」だったんですが、なんかしっくりこなくて、「紅の八塩」を知って「それだぁっ!!!」って思いましたね。(笑)"紅の八塩"は、格式高い色、高貴な方が身につける色だと言われているので自分の成長への祈りを込めて名付けました。

「髪、めっちゃ赤いですね!」

中学卒業からずっと染めてます。え?そりゃ傷んでますよ!でもプリンも目立たないしもはや地毛から赤いんじゃなかろうかって(笑) これだけ派手に赤いと"話しかけられやすい"ってメリットがあります。初めてでも「髪赤いですね!」とか言えるじゃないすか(笑)

一度銀魂の銀さんに似てるって言われて銀色にしたことはあるんですが、赤に戻してより一層「これだ!」ってなりましたね。(笑)

アシメなのも同じく10年くらいずっとですね。前髪で隠れてるのは、すごくおとなしくて根暗だった自分です。今でこそ派手な感じでやらせてもらったりもしてますが、隠れている自分も共存させていたいんです。

じいちゃんの三味線をずっと聴いてました

三味線は、亡くなった祖父が使っていた三味線を弾いてみたのがきっかけです。じいちゃんにはお前も三味線もやれやれ言われてたんですが… 反骨精神ですかね、「お前が三味線なら俺は三線やったるわ!!」って三線(琉球三味線)にのめり込んでました。

初めて三線を触ったのは、墨田区の某楽器店。ショーケースを見た時「何だこの小さい三味線は!?」と思わず店に入って試奏してみたら…ぶっ刺さったんですよ。「この音が、この和の音が、好きだぁっっ!!!」って衝撃を受けました。

俺のじいちゃんは目が見えなくて、ご飯食べたら弾いて、弾いたらご飯食べて、って感じで家で暇な時はずっと弾いてたんですよね。じいちゃんに教わってこそいませんでしたが、俺はじいちゃんの音をずっと聞いてたしずっと弾いてるのを見てました。だからなのか、三線は手に取った時から弾けました。三味線は初めてまだ2年足らず、まだまだもっともっと上達したいですが、それでも2年でこれだけ弾けるのはじいちゃんのおかげかもしれません。
ちなみに親父はガンズ(ガンズアンドローゼズ)とかずっと聞いてて三味線とかは興味なかったみたいです。(笑)

今でも三味線だけにこだわるわけではありません。和が好きなんです。今も家には三味線、和太鼓、篠笛、琴、三線があります。いわゆるバンドのアンサンブルが、琴、和太鼓、三味線、ボーカルに置き換わってもいいんじゃないかな、なんて思ったりしてます。色々挑戦していきたいですね!

おとなしいのに見た目は派手な子

和にまつわるものは全部好きなんです。和が好きだ!と思った最初の記憶は七五三。着物を着付てもらった自分を鏡で見て「なんてかっこいいんだっ!!!」って思ったのをよく覚えています。その後小学生の頃に日光江戸村に行った時、江戸情緒あふれる街並を目の前にして、漠然と、でもはっきりと「俺、日本人なんだ….!」と思った記憶があります。もはやテーマパークとは思えなくて、一つの町というか江戸の世界に来たような感覚でした。

そのあたりから和柄を好むようになり、おとなしいのに見た目は派手な子に…。見事に周りから浮きはじめましたね。(笑)俺の当時のおとなしさといったらもう、人と目も合わせなかったし最低限の挨拶もしたかどうか怪しいくらいです。

親父と服買いにいっても「お前それ買うの!?」って言われながら、大人用の小さいサイズの和柄の服を買ってもらってました。(笑)友達に話しても分かってもらえず、俺1人で楽しむわ!って開き直ってました。最近は、ファンのみんな、八塩を好きだって言ってくれるみなさんを和柄沼に落としていくのが趣味の一つです(笑)

世界的に有名になりたい

八塩の目標は「有名になること」です。世界的に有名になりたいです。なぜかと言えば、最終的に突き詰めると「死ぬのが怖いから」。誰かに覚えていてもらえさえすれば、ある意味俺はずっと生きるわけじゃないですか。時代に残るような人になったら、多くの人に覚えられることで俺はこの世にずっといられることになります。

と、いう感じだったんですが、最近は俺1人だけではなく「八八楽団(はちはちがくだん)」として大きくなりたいと思うようになりました。

八八楽団とは、現代音楽と和の音を融合させて贈る音楽集団です。先日メンバーが揃い、只今開演準備中です。

「八塩って人がこんな活動をしていました」だけではやっぱりさみしい。「八塩って人がこんな仲間と活動してたんだ」って覚えていてもらいたいです。今集まってるメンバーのみんなのことが好きで、能力的なポテンシャルもすごいと思ってます。この人たちも後世に語りつがれてほしいんですよ。

なんなら、八八楽団が有名になって世襲制になればいい。八塩のことが本当に好きで、八塩の跡を継ぎたいと思う人が和楽器ができれば八塩二世になってもらいます。自分の魂が永遠かはわからないけど、これで実質俺不死身じゃないですか。(笑)武道の世襲制や、和楽器の名取(なとり:初代の名前を受け継いでいく制度)を知って、バンド形態でもそれをやったらいいんじゃないかと思うようになりました。

ギターよりもロックな三味線を

Jpopを聴いてると、やっぱり和の音楽は淘汰されつつあります。和楽器で和の要素を入れたといってもおかず(添え物)になってしまっていて、それは違うぞ、と。俺は三味線もギターも、どっちも主役になりうる音楽を作っていきたいですね。

奏者としては、ギターよりもロックな三味線を目指しています。立ち弾き(ギターのように肩から下げて立って弾く)してみたり、できるだけ暴れながらやったり(笑)エフェクター使ってみたり。そもそもこの津軽三味線という楽器は長唄三味線から枝分かれして明治、大正の頃に発展した新しい楽器。それぞれの時代の奏者の先輩によって進化してきたもので、新しい形に進化させることこそが継承することだと思ってます。 

少年ジャンプに出てきそうですよね

って、よく言われますね。(笑)わかりやすいってことなんだと思います。

中学は制服でしたが高校は定時制で私服だったので、もちろん和柄ばっかり着てましたね。鳳凰の刺繍の入ったデニムに和柄のTシャツ着て校門くぐる俺を見て、クラスのやつは「あ、あいつきたな」って思ってたらしいです。(笑)しかも当時、赤いロードバイク乗ってたんですよ。髪赤くて和柄で赤いロードバイク乗ってるやつ、俺しかいないですよね。(笑)

「自分のファッションはこれだ!!!」ってガッチリはまったのは高校三年の頃です。和柄のシャツに和柄のネクタイ。就職活動に向けてシャツをよく買ってたんですよね。と言っても白じゃなくて和柄。シャツっていう形に慣れるための予行練習としてね。(笑)

その頃好きだったアーティストの「ポロシャツ+ネクタイ」のスタイルに憧れていて「自分なら和柄シャツに和柄ネクタイだろ!」と思ってやって見たら… これがめっちゃかっこよくて。どハマりしましたね。ステージの時は、今も和柄シャツに和柄ネクタイが多いです。下はガウチョパンツです。

なぜそんなにスタイルを固定するのか、よく聞かれるんですが、これはね、それこそ少年漫画から学んだことなんですよ。有名なアニメとか漫画って主人公がシルエットで分かるんです。これだ!と。「赤、ヒラヒラしてる、俺!」ってね。どうしても有名になりたいんですよ。

誰かになろうとは思わない。誰かの何者かになりたい

ありがたいことに俺のことをすごいねって言ってくれる人が増えましたけど、俺はみんなのことすごいねって思ってます。犯罪者以外は全員尊敬してますよ。自分以外の人って、自分にできないことができる人が圧倒的に多いわけです。例えば今のこのインタビューだって俺にはできないし、サラリーマンにもなれません。職業や仕事だけじゃなく全てのことに言えると思う。

誰かになろうとは思わないですね。誰かの何者かになりたい。俺は自分自身になれてるし、俺は俺のスタイルがかっこいいと思ってるから。

やらない理由を探すくらいなら、やるための理由を探せ

やりたいことがうっすらでもあるけどもやれない、って人に俺が言えることがあるとしたら「やらない理由探してないか?」ですね。これは自戒でもありますが、その行動は逃げてるだけだし、自分のためにならない。俺はやらない理由を探すくらいなら、やるための理由を探します。

好きな詩があるんですよ。

波風立てずに凪ぐ人生に前進はないと知る 
一度きりなら波乱万丈でいたい
傷を恐れ羽ばたかぬ人生なんて剥製と変わらない
Bottle Ship Boys / BURNOUT SYNDROMES

何かを惰性でやってるだけだったら、残るものは何もないじゃないですか。でも意思を持ってやったことならたとえ衝突があってもそれ自体自分のもののいなります。だからね、やりたいことやった方がいいですよ。

俺だって元々は保守的な人間です。波風立てないマンだったんです。やっていくうちに気づいたらこうなってました。とにかく、何か一つ始めないとそのノリにはなれないんですよ。まず、一つでいい、何かアクション起こせばやる気が起きてくるんです。

自分の場合は、一番最初は高校の頃軽音部でやってたバンドですね。当時はボーカルでした。まずはやってみたら、これがやりたかったことかもって音楽にのめり込んでいったんです。そこから全部つながっています。


八塩さん、貴重なお話聞かせて下さりありがとうございました!!今後のさらなるご活躍を心から楽しみにしております。


▼あゆみむ(戯亞亭)主催のこちらのイベントでも八塩さんの三味線演奏をご覧いただけます。八塩さんを見てみたい方、あるいは被写体になってみたい方、和小物や天然石などかわいいものを見たい方、どなたでも参加歓迎です♪

▼今回挿入した八塩さんの写真や、その他被写体の皆様の写真展示を行います。カフェ&バーのアートギャラリーなので、ご飯がてらぜひ遊びに来てください♪


▼直近の八塩さん出演イベント(Twitterで随時更新)

▼演奏動画のご紹介

▼あゆみむもマルシェイベントの路上三味線ライブに遊びに行ってみました!楽しいファンサ、ありがとうございました!^^

▼ライブハウスの三味線もドラムも主役のセッション


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この記事を書いた人:あゆみむ

お話をお伺いし、伝わる文章(ストーリー)を執筆します。活動の大小を問わず、発信にご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。記事掲載場所はあゆみむnoteでもご自身のHPやnoteなどでも可能です。


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