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伊集院光は令和の桂小金治になった

桂小金治をご存知か。お若い方は知らないかもね。

1947年、桂小文治に入門。将来を嘱望されながら、映画監督・川島雄三に声をかけられて映画俳優になり、のちにテレビの名司会者として名声を馳せた方である。

1964年を最後に落語家としては廃業状態になっていたが、2003年から数多くの高座をこなし、2011年に引退するまで落語ファンを魅了しつつげた。

他にも、笑福亭鶴瓶、先代三遊亭夢丸、桂米助など、テレビタレントとして成功したのちに、落語に戻ってくる人は多い。
いちど落語家を志して、辛い前座修業を乗り切った人間は、歳を重ねるうちに、落語に戻りたくなるのだろうか。

戻ってきてくれれは、客としては、嬉しい。
他の業界で重ねた経験を糧に、いい落語を聴かせてくれるだろう。

さて。

やはり落語家として期待されていたにもかかわらずタレントに転身し、テレビ・ラジオ(特にラジオ)で大活躍の伊集院光は、かつて三遊亭円楽の弟子であった。

本人は廃業のつもりだったが、円楽は師弟関係を解消せず、交流は続いていた。伊集院光は、自分のラジオで落語の話をちょいちょい持ち出し、ある日こんな事を言った。

「この歳になって、改めて落語がわかってきた気がする。お客さんに聴かせたいとは思わないけど、いま、師匠に僕の落語を聴いて欲しい気がする」

ああ、この人は、まだ落語に気持ちが残っているんだな。
桂小金治みたいに、また高座に戻ってこないかなあ。

と思っていた。


戻ってきたのだ。

伊集院光は、高座に戻ってきた。

まるで、桂小金治のように。

落語界におけるインパクトは、相当なものだ。

聴きたかったよ。そりゃ。
もちろんチケットは取れなかったけどね。

願わくば、どんな形でもいいから、落語を語り続けて欲しい。

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