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落語家のネットラジオいろいろ

当たり前の話として、落語家は喋ることに長けているので、ラジオをやらせてもうまい。

故・橘家圓蔵は月の家圓鏡時代からラジオ界の大スターだったし、笑福亭鶴光師・笑福亭鶴瓶師だってそうだ。最近だと春風亭一之輔師も大人気。いまはレギュラーないけど立川こしら師もラジオで売れた人。他にも数え切れないくらいのラジオパーソナリティがいる。

インターネット普及以降は、ポッドキャストの登場・音声配信アプリ普及により、さらに多くの落語家が、落語以外の「トーク」を配信するようになっている。

てなわけで、いろいろ紹介させていただきたい。

新ニッポンの話芸ポッドキャスト

落語会『新ニッポンの話芸』の宣伝のために放送している。といいつつ、諸事情で落語会が開催できない時期にもしっかり週1回更新し、気がつくともう500回。すばらしい。

初回放送は2014/08/12

出演は立川こしら師・三遊亭萬橘師・鈴々舎馬るこ師のお三方に、プロデューサー広瀬和生先生。
内容は落語家らしいバカバカしい雑談から芸談まで幅広い。
デジタル技術に精通し拠点を対馬に移して全国飛び回っているこしら師、林家たけ平師と地域寄席『にっぽり館』を運営する萬橘師、若手ながら寄席のトリをしょっちゅう取っている馬るこ師、それぞれの視点から語られる「落語のいま」が楽しめる。

笑福亭希光の世界ニュースで毎日謎掛け

芸協カデンツァのメンバーで、『伯山Tv』のレポーターとしても大活躍している笑福亭希光さんがひとりで放送している。
身辺雑記的な内容をまずまくらにして、さらに自分で集めた世界ニュースを紹介、最後は謎掛けで締めるという内容。とにかく毎日配信しているのが偉い。本日6月5日めでたく通算600回。継続は力でございます。

米国雇用統計にこだわるなど、経済への目線がしっかりしていてとてもためになる一方で、連日繰り返されるウクライナ紛争のニュースに「嫌気が差してくる」あたりが、いかにも「落語家個人発信メディア」。
プロのニュースメディアは戦争を事実として伝える義務があるけど、「毎日戦争の話ばかりで、もううんざりだ」という気分をリスナーと共有するのは、これは落語家の仕事だと思うのだ。
といっても逃げてばかりいるわけではない。伝えたくないニュースでも大切だと思ったら「嫌な気持ち」とともに語っている。

ほぼ毎回午前中に更新され、必ず10数分で終わるので、毎日の習慣として聴いている。スマホから聴くときはRadioTalkのアプリを入れましょう。


わん丈のサンドラ煩悩

落語協会きっての売れっ子二ツ目・三遊亭わん丈さんが、いろんな二ツ目の落語家をゲストに呼んで、それぞれの三道楽をテーマに落語家の生態を伝える。三道楽といっても「買う」は色事・恋愛事情まで拡張されている。もちろん、落語の話もよく出てくる。

深夜寄席の休止により、よく知らない二ツ目の高座に触れることが難しくなっているなかで、団体問わず、いろんな二ツ目をご紹介いただけるのはありがたい。
「落語を知らない方に向けてまずは落語家を知ってもらう」と掲げているけども、たいていの落語ファンは落語家の生態には興味津々なので、結局、みんなが楽しめる番組になっている。

Stand.fmのプロモーションを兼ねた公開収録をしたことがあり、このときの春風亭一蔵さんのボートレース話は最高に面白かった。

プロが制作しているメインパートの他に、番組のその前後にわん丈さんが聴取者からの質問に答える時間があり、その内容はけっこう貴重。

毎週水曜日夜に更新されている。スマホから聴くときはStand.fmのアプリをぜひ。


おまけ シェアする落語のスタンドエフエム

実はわん丈さんに影響されて、僕もStand.fmを始めた。
前記の『サンドラ煩悩公開収録』が終わった直後、会場近くの路上でイベントの感想を録音したものをアップした。以来、落語を聴いてはその感想を録音して配信している。まあ、ボイスメモですね。Stand.fmだとBGM入れたりするのも楽なので、なんとなく番組らしいものが手軽に作れる。

落語を聴いた後だけ録音するので、完全に不定期配信ですが、ご興味あれば、ぜひご登録を。

他にもまだまだたくさんあるんだけど、今回は「特定の落語家のファンでなくても楽しめる」番組を選んでみた。

嬉しいことにいずれも無料です。ぜひ。

サポート?奇特な方ですね。そうですね。落語会開催・落語鑑賞・有料コンテンツ鑑賞などに使わせていただきます。くれぐれもご無理なきよう。