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オッペンハイマー

映画、ダークナイトシリーズやインターステラーを見てからクリストファー・ノーラン監督のファンになって、新作ができれば必ず映画館に見に行っていた。

アカデミー賞を独占したオッペンハイマーもすぐに見たかったけど(日本公開だけ大幅に遅かったし)、大会が重なったり体調がイマイチだったり週末に行くことができず、平日のレイトショーに行く元気もなく半ば諦めていた。3時間の長尺なのもなかなかきつい。

それでもやっぱりこれは見ておかなくては!と意を決してチケットを取った。


オッペンハイマーが「原爆の父」と呼ばれ、自分が開発した原爆を広島と長崎に落とされたことにショックを受けて水爆開発に反対してアメリカ政府と対立した。という、うろ覚えの知識はあった。

だいたいその通りだったけど、アメリカを救った英雄から裏切り者に、あろうことかソ連のスパイの汚名まで着せられて失墜していく絶望的な半生だったとは知らなかった。常人離れした天才が戦争に巻き込まれていくと、これほど救いのないことになるのか…

ハッピーな要素がまるでない作品だけど、それでも観てよかった。戦争の一方の当事者であり原爆を落とされた日本人だから、という歴史と政治を絡めなくても大丈夫。ストレートに映画としての出来映えが素晴らしい。俳優陣の演技、圧倒的なセット、3時間を飽きさせず見せてしまう構成と編集。ノーラン監督の力業が堪能できる。

いずれ配信が始まって家で鑑賞する人は、1時間ずつ3回に分けて見るとより理解が深まると思う。

〜おまけ写真〜

簡素で素朴

PARCOにあるセンチュリーシネマ。中型サイズのスクリーンと視聴覚室みたいな小さなスクリーンの2つしかないこぢんまりとした映画館。入口も学校の文化祭みたいな手作り感があってとてもいい雰囲気。

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