240203_紫式部みたいな大人になりたい
2024.02.03.Sat.
完全にタイトルが迷走していますが、顔より中身ということで頑張って本編を書き進めます。
今、地元・宇治市の子どもたちと、源氏物語の朗読劇にチャレンジしています、ということから今回の思考はスタートです。
https://www.gekifuji.com/post/info240114
今回の脚本・演出は劇団遊劇体の中田達幸さん。全編1時間ちょっとなのに、とっても壮大なその物語を読みながら、いろいろなことに思いが巡ります。
まずはあらすじ。
チラシに書かれたあらすじはこうだ。
それぞれの登場人物にファンがいる
今回は、「源氏物語」のファンである女房たちが、自分の好きなキャラクターを演じながら物語が進んでいく。
女房たちの感想や紫式部(藤式部)自身の感情にも触れながら、大枠としては75分でざっくり源氏物語のストーリーを追っていく形になる
その壮大な構成もなかなか面白いのだけれど、個人的にもっと興味深いのは、ほぼ全ての登場人物に、そのキャラクターを“推し”ている女房がいるということ。
みんなの憧れ=光源氏の正妻になったのにそれを不本意だと嘆く人もいれば、嫉妬に狂って生霊になっちゃう人、鼻が真っ赤で醜い人だったり、ちょっとあざとすぎたり、まあ濃い人ばっかりなのが源氏物語。
こんなキャラクターたちにファンがつくのか⁉︎みたいな登場人物にもファンがついていて、
今回の朗読劇「紫さんを待ちながら」では、その“推し”のことをしゃべる女房たちがほんとうに生き生きと描かれているのだ。
源氏物語が今でも面白い理由のひとつ
それは、脚本家の作った設定でしょう?と言われればそうなのだけど、いや、それだけじゃないと思う。
今、大河ドラマの影響で、本屋もネットも紫式部や源氏物語の情報で溢れかえっているけれど、そういえば、そのうちのひとつが面白かった。
その記事の筆者はおおよそこういうことを言っていた。
よく対立に上がる清少納言の「枕草子」も含めてこの時代に書かれたもののほとんどは、身分の高い人たちを皮肉に描くことが多い。
(作者やその近しい人たちからすると、妬みややっかみもあるだろうし、虐げられたこともあるのかもしれない。)
だけど、源氏物語は違うと。それぞれの身分・それぞれの登場人物が、悩み苦しんでいる様子が描かれている。登場人物それぞれの葛藤がある。
たぶん、いろんな記事でそういうことには触れられていて、それをある人は「観察力」とか「洞察力」と評していた。
でも、どう考えてもあの時代の偉い人たちが従者たちに自分の心の動きを見せるような動きをするとは思えない。
紫式部自身が、人々のことを深く観察をしていたのは前提だけど、行動や噂話に加えて、立場や人間関係、出自などから、その人が何を思い何に悩んでいるのか、隅々まで想像を膨らませていたのではなかろうかと思う。
そしてそのことが、物語を面白くさせ、千年先でも読み続けられる作品に繋がっている。あるいはその登場人物一人ひとりにファンがつく理由になっている。
想像力の先に
今、世界では争いや悲しい事件が日々起きている。
だけど、目の前の誰かや、目の前の出来事の先にいる誰かのことに想像がいけば、その誰かの人生や想いを想像できるようになれば、もっとみんなが優しくなれるし、生きやすくなるんだろうと思う。
そうやって、社会というのは少しずつみんなにとって良くなっていくんじゃないかとずっと思ってきたし、最近はそのことが少しずつ確信に変わってきている。
これから社会に出て行く子どもたちが、そんな人を慮る紫式部によって描かれた物語の朗読劇にチャレンジしている。
ただ、作品が完成すれば良いだけの現場ではないし、そんなつもりで関わっているわけもない。
たかたがか、半年関わるだけの子どもたち。それでも、彼らがどんな大人になるのだろうかと、稽古場の隅でふと考えてみることも多い。
たくさんたくさん想像力を働かそう。一緒に想像することを試みよう。こんなところからでも、社会が変わっていくのだと信じているから。(締め方わからんすぎて、ぽい言葉を並べたよ)(でも偽りはない)
▽「宇治っ子朗読劇団⭐︎Genji」Instagramのアカウントで練習の様子が見れます。▽
▽2月と3月に本番を控えています。詳しくはこちらから。▽
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