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歯科医院DXのトラブル予防と成功法

「とにかくスタッフが足りない!」
「診療や在庫管理を効率化したい」
「診療精度をもっと上げたい」
などの悩みがある場合、DX促進を考える院長が増えてきているようです。

『月刊アポロニア21』の取材先では、
DX促進の成功例、失敗例の両方を目にします。

そこで、歯科医院のDX促進によるトラブル防止と成功のポイントをまとめてみました。

1. 目的を明確に!

 DXツールでは、たくさんの機能を紹介されることがあり、そもそも何のために導入するのかが、分からなくなってしまうことがあります。

【NG例】
 急いでスタッフ同士の連絡ツールを整備したかったのだが、「これもできる」「あれもできる」となり、院内のさまざまなシステムを見直さなければならなくなった。
 その結果ミーティングも増え、「なんでこんな苦労をしなくちゃいけないの⁉」とスタッフから不満が噴出してしまった……。

★成功のポイント★
 まず、「何のために導入するか」を院内で明確に絞り込みましょう。そうすることで導入の検討がスピーディーになり、使用頻度や負担を考慮した「効果の検証」もしやすくなります。

2. 「スタッフの負担」を忘れずに!

 魅力的な機能が多い場合、経営者からすると「ひとつのツールで、メリットがたくさんある!」とお得に感じられても、スタッフからすると「覚えることがたくさんあって、私たちが大変になる!」と、ネガティブに捉えることがほとんどです。

【NG例】
 DXツールを導入した直後に、業務がかえって煩雑になり、不満から退職者まで出てしまった!

★成功のポイント★
 ツールやサービスの提供企業との打ち合わせにはスタッフに同席してもらい、主体的にネガティブ情報も引き出してもらいましょう。
 すでに導入した医院の事例について、必ず確認しましょう。
  ① 導入までに、どれくらいの手間と期間がかかったか(機能別に)
  ② 何に苦労したか
  ③ 導入後の、現場目線の「メリット」
  ④ 導入後の、現場目線の「負担」

 導入の検討時からスタッフに協力してもらえば、ゴールが描きやすく、導入の苦労も自分事としてとらえ、達成感も得やすくなります。

3. 「メンテナンスコスト」も忘れずに!

 導入後、「使い方を教えてほしい」「ここを変更したい」「この機能を追加したい」といった要望が生まれてきます。
 そこで、思うようなサポートが受けられなかったり、高額な追加費用を請求されて驚かされることがあります。
 
【NG例】
 ホームページの作成料は安価だったが、毎月、まとまった管理費がかかる上、内容を変更するたびにコストがかかることが分かった!

★成功のポイント★
 どこまで価格に含まれるのか、他の医院では、メンテナンスコストは通常、どれぐらいかかっているのかなどについても、必ず確認しましょう。
 また、契約書には、必ず目を通し、自信がなければ専門家にチェックしてもらうのもお勧めです。

4. 会社の信頼性をチェック!

 デジタル関連は、浮き沈みの激しい業界です。会社の信頼性は、重要なポイントとなります。

【NG例】
 ツールを導入後、数年たって会社がなくなってしまった。互換性もなく、また一からデータを入れ直すはめに。まさに、「安物買いの、銭失い」となってしまった!

★成功のポイント★
 特に、「長く使う予定で、更新が必要なツール」を導入する場合、販売・サポート会社が長く存続しそうかどうかは重要です。
 多少割高に感じても、その後のことを思えば、信頼性の高い会社を選ぶこと。次々に開発されるデジタルツールは、信頼性の評価が難しいのですが、「歯科での実績」は、必ず確認しましょう。

5. お勧めの展示会は…

DX推進を成功させるためにお勧めの展示会は、
歯科医院DXフェアです。

一度に様々なツールが見られる上、現場で役立つセミナーを、無料で聞くことができます。

2023年は、7月22日(土)、23日(日)開催です。

詳しくは…
 ↓ ↓




■ この記事を書いた人 ■

水野麻由子【日本歯科新聞社制作局】
制作局ディレクター、歯科出版アドバイザー。歯科医院経営・総合情報誌『アポロニア21』の企画・編集に25年以上携わり、経営書を中心に50冊以上の書籍を企画・取材・編集。
ヒトの「肩書」と「顔」がなかなか覚えられないが、才能は忘れない。ヒト、モノ、会社などの「ここがすごい!」という光っているところを見出すのが得意かも。

〔主な担当書籍〕
『認知症グレーゾーンの歯科診療と地域連携Q&A』
『「歯科プロサポーター」24人に聞いた・よくある経営の悩みと解決法』
『歯科医院のラクわかり経営学』
『100円グッズから始める 歯科医院の整理・収納アイデア集』
『事例に学ぶ・歯科法律トラブルの傾向と対策』
『歯科医院デザインCatalog』シリーズ
『歯科医院のためのTHE指導・監査』
『食べる・飲むメカニズム』


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